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前回からの続き。数年前の話です。私はキヨミ。造園業を営む夫のマサシと結婚しました。
結婚してからは介護士の仕事を正職員からパートに変え、空いた時間でマサシの造園の仕事を手伝うようになりました。しかしマサシに厳しく当たられ、肉体的にもツラいのにどこにも弱音を吐き出せない日々。私は耐えられなくなりそうでため息ばかりこぼれます。
その日も造園業のお手伝いでした。疲れてぼーっと遠くを見ていると、私の姿を見かけた義母が「少し休憩しましょうか」と声をかけてくれました。「いつもありがとうね。家業を手伝ってもらってすごく助かっているわ」
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「でも、あんまり根を詰めなくていいからね。マサシから聞いたわよ、キヨミさんがうちの家業を継ぐために頑張ってくれているって」
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あっけに取られました。「私、継ぐなんて一度も言っていません!!」これまで我慢していた思いがあふれます。そして私は泣きながら打ち明けたのです。これからも介護士の仕事は続けるつもりでいること、家業はあくまでもお手伝いのつもりでいること、でもマサシには異様に厳しく当たられること……。私の話を聞いた義母はとても驚き、義父とともにマサシを呼び出してくれました。
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義実家のリビングで、怒った顔でマサシを問い詰める義母。「キヨミさんから聞いたわよ? ありえないわ。ずいぶんキヨミさんのことをこき使っていたようじゃない」
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「支えるっていうのは、なにもキヨミさんに造園業で一人前になってもらうって意味じゃないわ。精神的なよりどころになってもらったり、家のことで協力しあったり……いろんな『支える』があるでしょう?」
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義父が私にむかって頭を下げました。「キヨミさん……介護の仕事もあるのに、お休みの日にまでムリをさせてすまなかった」その様子を見て、さすがにマサシも自分の過ちに気づいたようです。「……俺、キヨミに造園の仕事を覚えてもらいたいって、焦ってて……」
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マサシは黙り込んでしまいました。私もずっと考えていたことを口にします。「……私、いったんマサシのお手伝いを休もうと思う」
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「勝手に私たちの未来を決めて、私に押し付けてくるのは、私が好きになったマサシじゃない」「………俺、間違っていたかな……」
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もしこの先「マサシと一緒に家業を継ぎたい」という気持ちになれば、またお手伝いを再開するかもしれません。でも今後も勝手に理想像を押し付けてくることが続くなら、もう夫婦としてやっていけないと思うかもしれません。どんな未来を選ぶかは、これからのマサシとの関係次第でしょう。本音をぶつけあい寄り添いあおうとしてくれる相手となら、話し合いながら前に進んでいけると信じています。
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