「お義母さん、私も手伝います!」「いいのいいの、若い人は座ってなさい」義実家で手伝いを申し出ましたが、義母には断られました。「いいよ、母さんがあんなに言うんだから。キミカは座ってな」夫もそう言うので従い、私たちは和やかに食事をいただきました。
しかし後日、夫にこんな連絡が入ったのです。「ちょっと、キミカさんってどういう神経してるのよ。初めての帰省なのに台所にも立たないで」
義母はずっとこんな調子で、顔を合わせるたびに怒られたり陰で小言を言われたり……。だから私は義母と関わらないようにしてきました。しかしやがて義父が亡くなると、義母は生活のこまごまとした用事で夫を頼るようになります。その日は「トイレットペーパーを買ってきてほしい」という連絡があり、たまたま家族で出かけていたので帰りに義実家に寄りました。娘のサヤも一緒でした。
めったに会わない孫が来てくれて、嬉しかったのでしょうか。義母は気前よくサヤにお小遣いをくれたのです。帰宅して封筒を開けると1万円も入っていてビックリしました。ところが数日後、義母がすごい剣幕で電話をかけてきて……。
「年寄りをいじめないで」義母の言葉に耳を疑いました。「お小遣い目当てじゃないなら、渡しても遠慮するはずでしょう?」「そんな……」
結局サヤが受け取った1万円は、夫経由で義母へ返してもらうことにしました。なんとなく事態を察知したサヤも「ばあちゃんとこ、もう行きたくない……」と訴えます。私はうっかり義実家に顔を出し、サヤまで巻き込んでしまったことを激しく後悔したのでした。
|
|
結婚から20年近くが経ち、強気な義母にも近頃はだんだん老いを感じるようになりました。ずっと嫌な思いをさせられてはきましたが、夫にとっては大切な親です。夫に頼まれて、断る選択肢は私にはありませんでした。そんなわけで仕事が多忙な夫の代わりに、私が義母の付き添いを引き受けたのです。病院での検査がなにごともなく無事に終わることを祈っています。
【中編】へ続く。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・物江窓香 作画・なかやまねこ 編集・井伊テレ子