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前回からの続き。わが家の嫁・ミカさんは今時の女というか、根性がなく甘えた性格をしています。それでも息子(タカフミ)の嫁だからなんとか接してはきましたが……。とにかく頼りないんです。その点、私は長年専業主婦をし、子育てをしてきた身。自信をもって嫁にアドバイスができます。
先日ミカさんが孫・ユウタを出産し、ミカさんは実家へ里帰りしました。本当はうちで面倒を見るつもりでいたのですが、勝手に決めてこちらには何の一言もなかったのです。仕方がないので、向こうのご実家に毎日行くことにしました。
私はタカフミが生まれてからというもの、息子のことだけを考えて生きてきました。小さくて可愛かった私のタカフミもいつのまにか結婚する年になりました。寂しいけれど、自分の息子が一生独身でいるのは可哀想だとも思ったので、結婚は許しました。
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ほどなくして、タカフミの嫁であるミカさんが妊娠。私にとって初孫であるユウタが誕生しました。ユウタを抱っこしていると、タカフミを育てていたころのような母性のような感情があふれてきました。そうだわ……この子は私が育てましょう。そうよ、あんな根性なしのミカさんなんかにユウタを任せることなんてできないわ。
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孫には「ユウタと名付けた」とタカフミから聞いたとき、私に相談なく決めてしまうなんてひどいと思いました。なぜなら「ユウサク」にしようと私は決めていたからです。いいわ、いずれ改名してしまえばいいのだから。
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なんで私がタカフミにここまで文句を言われないとならないのでしょう? 嫁に代わって、孫の面倒を見てあげているのです。私はなにも悪いことはしていないはずです。
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タカフミの父親である私の夫は浮気を繰り返して、いまでは家に寝に帰ってくるようなもの。会話もありません。夫の希望でずっと専業主婦をしていたので、私は家のことを完璧にこなしてきました。それに若い頃は、義母の看病や介護があったから、友人ともいつのまにか疎遠になってしまっていました。今さら仕事を始めようとも思えませんしね。
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産後の母親はゆっくり休まないといけないのよ。あちらのお母さんは仕事があるのだから、私が「ユウサク」の面倒を見ないといけないでしょう! 善意なのに苦情を言うなんて、ミカさんは本当に情のない嫁なのね!
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根性がない嫁よりも、私の方がずっと「ユウサク」を幸せにする自信があります。嫁が考えていることなんて、きっと自分がラクすることばかりなのです。私の時代は義母に「来ないでほしい」なんて口が裂けても言えませんでした。そんなことを口にする嫁は、本当に甘えています。私の方が何でもうまくできるのです。それも善意だし、見返りももとめていないのに、なぜ私に訪問を控えろなどと言うのでしょう。
嫁の口答え、ぜったいに許しません!
【第5話】へ続く。
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