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前回からの続き。俺(トシキ)と妻のユウコは高校の同級生。高校時代はただのクラスメイトだったが、卒業してから再会して結婚し、今では2人の息子と暮らす夫婦だ。そして俺には高校時代から仲の良い「マリエ」という友達がいた。ユウコはマリエが俺に好意を持っていたと勘違いしていたけれど、男女の関係は一切なかったし恋愛対象として見たこともなかった。そんなマリエから突然連絡があったのは今朝のことだった。
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朝イチでものすごい内容の連絡が入ってしまった。「会ってくれないなら、私、どうなるか分からないよ? トシキが連絡とった最後の人になるかも……」どうしたんだ? 俺は焦ってしまった。
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マリエが住んでいるのは隣の県のA駅。会いに行くことはできるけれど……。高校時代に俺とマリエが付き合っていると勘違いしていたユウコは、その後もマリエとの仲を少し疑っているようだった。数年前にマリエが結婚すると伝えたとき、明らかにホッとしていたのだ。
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ユウコに言えば、あまりいい気はしないだろう。ここは言わずに行った方がいいな。そう思った俺は内緒で出かけることにした。「取引先の社長が急に日程ずらしてくれとか言ってくるからさ〜。これから会社行かなきゃなんだよ……」
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俺はマリエとA駅そばのファミレスで落ち合った。久しぶりに会ったマリエは少し疲れた顔をしていた。「どうしたんだよ?」そう聞くとマリエは、待ってましたとばかりに話しはじめた。「実は……ケンジさんがモラハラ気味で……」「モ……モラハラ?」
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マリエいわく、夫であるケンジさんから日々「モラハラ」とやらを受けているらしい。自分がどれだけ酷い扱いを受けているかを延々と話していた。しかし正直どうでもいい愚痴ばかりだった。早く帰りたい……。2時間も付き合っているとゲンナリしてきた。「そこまで嫌なら離婚したら?」「それはしないの」「……はぁ?」「そこでトシキにお願いがあるのよ」
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マリエは大切な友達だし、困っているときは助けてあげたいと思っている。けれどユウコはどう思うだろうか……。そう思い、ユウコには内緒で問題を解決しようと俺はマリエの元へ向かった。でもこのときの考えが失敗だったと気が付くのは後になってからだった。マリエからのとんでもない相談に、俺はただただドン引きするばかり。マリエがケンジさんを嫌いならひとりで生きていく道を考えればいいはずなのに、どうして「俺の遺伝子が欲しい」という話に繋がるのかが全く分からなかった。
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原案・編集部 脚本・渡辺多絵 作画・りますけ 編集・井伊テレ子