<陸上:日本選手権>◇28日◇第2日◇新潟・デンカビッグスワンスタジアム◇女子やり投げ
昨夏の世界選手権を制した北口榛花(26=JAL)が2年ぶり4度目の優勝を飾った。2投目で62メートル87をマーク。首位に立ち、トップを譲らなかった。昨年大会は2位にとどまったが、以後は17戦14勝と圧倒的な強さを誇り、60メートル超えは昨年6月から15戦連続となった。
ただ、記録は今季自己4番目にとどまり、試合後は危機感を口にした。今後は世界最高峰のダイヤモンドリーグ(DL)2試合に出場し、内定済みのパリオリンピック(五輪)へギアを上げていく。
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世界女王の貫禄こそ示したが、3投目以降は記録が伸びなかった。「最初の1、2投は気持ちよく投げられましたが、3投目から大きく崩してしまった。もったいない試合をした」と反省の言葉が続いた。
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今月22日のフィンランドの試合では、今季自己最高の64メートル28をマーク。今季世界5位タイの好記録だったが「うーんという感じの64メートル。私が思っていたより、皆さんの記事が結構いい感じでびっくりしました。『調子が上がってきた』と書いてくださったんですけど、自分の中では上がりきっていない」と、会心の一投は放てていない。持ち前の柔軟性を生かした投てきや助走のリズムアップも模索段階にあり「なかなか練習でも試合でもうまくできない感じが続いていて、ずっともどかしい」と苦悩を明かす。
ただ昨年は、日本選手権で59メートル92の2位となりながら、翌週のDLパリ大会では65メートル09で優勝。短期間で記録を伸ばした経験もあるだけに「1本満足する投てきが出れば、戻ってくると思う」と前も向く。
パリ五輪までは約1カ月。「DLでは世界のトップ選手と戦う中できっかけみたいなものをつかめるといいなと思います。『いつか来るといいな』と言っていられる時間もなくなってきているので頑張ります」と、自らに言い聞かせるように誓った。【藤塚大輔】
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