土砂崩落、ぬかるみひどく トンネル内は石散乱 孤立集落まで行けず

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2024年09月23日 13:17  毎日新聞

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毎日新聞

北河内トンネルから先、路盤ごと流されたとみられる県道=石川県能登町北河内で2024年9月22日午後1時41分、柴山雄太撮影

 能登半島北部を襲った豪雨災害。雨が小康状態となった22日午後、行方不明者がいるという情報を基に石川県能登町の孤立集落、北河内地区を目指した。


 集落へ向かう県道の北河内トンネル入り口は、三角コーンが複数置かれて通行の注意が促されていた。入り口の斜面は土砂崩れの影響か、赤茶色の土がむき出しになっている。車を止めると、トンネルから歩いてくる男性たちの姿が見えた。「この先は進めない。トンネルを出た先はひどいぬかるみだ」


 そう教えてくれた男性(47)は、北河内に妻の実家があり、義父と妻、次男の3人が孤立した集落にいるという。3人は集落の寺に避難し、携帯で連絡が取れたが、車の様子を確かめに行ったという義母が行方不明になった。「流されてしまったようだ」と話す。


 同町白丸地区在住の男性は、21日も集落まで行こうとしたがどの道も通れず、トンネルの先まで行ってみようと22日に改めて来たそうだ。トンネル入り口に車を止め、偶然居合わせた報道機関の記者とともにトンネルを抜けたが、道路状況が悪く、それ以上進むことは断念したという。


 北河内の集落は停電し、水も出ないといい、「飲料水や携帯トイレ、モバイルバッテリーを持ってきたが、そもそも届けられない」とつぶやく。「家族を安全なところに避難させたいが、どうすればいいのか」と途方に暮れていた。


 トンネルを離れる男性たちと別れ、真っ暗なトンネルを進んだ。大量の水が流れ込んだようで、ヘッドライトで照らした道路上にはこぶし大の石が散乱している。約800メートルのトンネルを進むと、路面の石が徐々に大きくなっていく。トンネルの外で重機が作業していた影響か、内部は「ぐわーん」「がーん」といった音が常に反響していた。出口付近では、カボチャぐらいの大きな石もいくつか転がっていた。


 トンネルを抜けると進行方向左手の斜面から滝のように水が流れ、大量の土砂で道路が埋まっていた。土砂に踏み入ると、見た目以上に深く沈む。30センチ以上沈んだ場所もあった。なんとか土砂の上まで上がると、道路が路盤ごと崩落し、土がむき出しの斜面が現れた。集落の中心部まではここから約2キロ。一人で進むのは危険と判断し、同じ道を引き返した。【柴山雄太】



このニュースに関するつぶやき

  • 写真や話しの状況からして孤立してる身内が心配なのは分かるが今はその場に近付かない方が良いだろう。逆に二次災害の恐れが有るからね何か救助物資を届けるならヘリコプター使う位しかない!
    • イイネ!5
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