【バスケ】河村勇輝“NBAデビュー”初戦で躍動「明日どうなるか分からない。1日1日が勝負」

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2024年10月08日 18:18  日刊スポーツ

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マーベリックス戦に出場したグリズリーズ河村勇輝(AP)

<NBAオープン戦:マーベリックス116−121グリズリーズ>◇7日(日本時間8日)◇米テキサス州ダラス◇アメリカン・エアラインズ・センター



パリ五輪日本代表の河村勇輝(23)が“NBAデビュー”を飾った。


キャンプ参加しているグリズリーズの一員としてマーベリックスとのオープン戦に第4クオーター(Q)から途中出場。9分16秒のプレーで5得点3アシストを記録。最初に3点シュートを決めるなど持ち味を発揮した。契約上、今後も出場機会は確約されていないが、22日(同23日)の開幕に向けて、必死のアピールを続ける。試合はグリズリーズが121−116で勝利した。


   ◇   ◇   ◇


第4Q、残り9分16秒。河村は深々とお辞儀をした。コートに入る際に行ってきた、これまでと同じ所作。ただ、途中出場で踏み入れた先は、ずっと思い描いてきた場所だった。「自分の夢の舞台。完璧ではないが、少しはいいアピールができた」。踏みしめたその1歩1歩で、自分の未来を作っていく。NBAで戦うために、大事な初戦で躍動した。


出場から30秒足らず。いきなりの見せ場がやってきた。司令塔の位置に陣取り、ボールを回す。機敏に動いてノーマークになると、左コーナーでパスを受けて3点シュートを放った。ゴールに吸い込まれると、ベンチの仲間も立ち上がって拍手した。前日に本拠地で行われた新人恒例ダンス大会では、キレキレの動きで優勝。チームに溶け込むために通訳なしでキャンプを過ごしてきた。初得点の祝福は、コート内外で仲間の信頼も得てきた証だった。


172センチの小柄ながら、以降も厳しい相手の守備に速さで対抗し、フリーの味方に正確なパスを供給し続けた。鋭いドリブルで切り込んでファウルを誘い、フリースローも2本成功。鮮やかなノールックパスや連係プレーでも得点を演出し「いいアシストもあった。自信はついてきている」と頼もしかった。


現在のエグジビット10契約は最低年俸、無保証だが、クラブは開幕前にNBAと下部組織のGリーグチームを一定期間行き来できるツーウェー契約に切り替えられる。厳しさは本人も自覚する。「明日どうなるか分からない状況が続く。1日1日が勝負で、次の試合もいい準備をしたい」。新たな挑戦の場所、過酷な場所で、踏み込んだ一歩を先につなげる。


◆河村勇輝(かわむら・ゆうき)2001年(平13)5月2日、山口県生まれ。福岡第一から東海大に進学。22年春に東海大を中退、プロとして横浜BCでプレー。22−23年はシーズンMVP、新人賞を獲得。24年パリ五輪代表。尊敬する人物はイチロー。身長172センチのポイントガード。


▼メンフィス・グリズリーズ 95年カナダのバンクーバーを本拠地として、トロント・ラプターズとともに米国外から初めてNBAに参加。01年にメンフィスに移転。18−19年シーズンには渡辺雄太が所属し、23−24年シーズン途中もサンズから復帰していた


▼エグジビット10契約 NBAで定められている契約の1つ。最低年俸、無保証となるが、クラブはシーズン開幕前、NBAと下部組織のGリーグチームを一定期間行き来できるツーウェー契約に切り替えることが可能。開幕前に契約解除された場合も、選手は契約クラブ傘下のGリーグチームと契約することができる。Gリーグで60日間プレーした場合、最大5万ドル(約725万円)が支給される。17年、ツーウェー契約ともに導入された制度

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