2023年度に全国の小中高校で起きたいじめの重大事態が1306件と過去最多となり、前の年度の1.4倍と大幅に増加していることが分かりました。
文部科学省の調査結果によりますと、2023年度の小中高校で認知されたいじめの件数は73万2568件で、前の年度より5万620件(7.4%)増加し、過去最多となりました。
このうち、被害を受けた児童や生徒が心身に深刻な傷を負うなどの「いじめの重大事態」の件数は1306件で、前の年度の1.4倍(42.1%増)と大幅に増加、過去最多を更新しました。
文科省は、「いじめの認知件数が増えたのは積極的に早期発見に努めた結果」などと説明したものの、いじめの重大事態の4割(37.5%)は、深刻さを把握する前にいじめとして認知すらできていなかったことも分かり、担当者は、「教員が兆候を見逃す、問題を抱え込むなど、対応への課題もあった」と分析しています。
一方、全国の小中学校における不登校の児童・生徒は34万6482人で、前の年度から4万7434人(15.9%)増加したことが分かりました。11年連続の増加で、去年に引き続き過去最多を更新しました。
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増加の背景には、「保護者の学校に対する意識の変化やコロナ禍の影響による登校意欲の低下」などがあったということです。
小中高校から報告のあった自殺した児童生徒は397人(前年度は411人)で、引き続き、深刻な状況となっています。
こうした調査を受け、文科省は、「周囲の大人が子どもたちのSOSの早期発見に努め、組織的な対応を行い、外部の関係機関などにつなげていくことが重要」だとして対策を進めることにしています。