そごう・西武は2025年の元日、西武池袋本店などの4店舗を休業する。同社では2013年から全店舗で元日営業を実施してきたものの、従業員のワークライフバランスや、顧客ニーズの多様化などを考慮したという。
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●同業他社の休業も踏まえ
元日に休業となるのは、西武池袋本店(東京都豊島区)、そごう広島店(広島市)、西武渋谷店(東京都渋谷区)、西武秋田店(秋田市)の4店舗。
同社の広報担当者は背景として従業員からの要望のほか、他の商業施設においても元日休業が増加している点を挙げる。
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また、「お客さま心理の変化」も影響しているという。「従来は『福袋や初売り商品を元日に買い求めたい』というニーズを受けて元日の営業を実施していましたが、『自宅でゆっくりしたい』『人が密集するところに行かなくてもいい』『福袋を買うのは2日以降でよい』といったように、顧客ニーズが多様化していることも踏まえました」(担当者)
一方で同社は「百貨店でのお買い物を、お正月の楽しみとされているお客さまがいらっしゃることも事実」とコメント。従業員満足度や顧客の買い物ニーズを考慮した上で「一番良い形を取れないか」との観点から、4店舗に限っての休業を決めたという。
●地域により営業する店舗も
店舗ごとの営業体制については、各地域のマーケット特性に合わせて決定した。例えば、そごう広島店は周辺に元日に休業する商業施設が多く、街の人出がそもそも少ないことから休業に。西武渋谷店の場合は、エリア外から足を運ぶ客が多く、近隣からの集客が少ないため、こちらも元日休業の対象としたという。西武池袋本店については、改装工事により営業が一部の売り場に限られている状況も鑑みた。
一方で、近隣住民の来客が見込まれるそごう横浜店、そごう千葉店や、日常の買い物の場としてのニーズが大きいという西武所沢S.C.および西武東戸塚S.Cなどの6店舗では、元日も営業を実施する。
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また、元日に休業する店舗も、12月31日や1月2〜3日の営業時間帯を例年よりも拡張することで、年末年始の買い物需要に対応する。
担当者は「取引先でも元日の休業が増えてきている。取引先の従業員のワークライフバランスも重要だと認識しているので、この点も考慮した。2025年度以降の営業体制については、今回の検証結果を踏まえて決定していく」とコメントした。
百貨店業界では、年始の営業を縮小する動きが広がっている。阪急阪神百貨店を展開するエイチ・ツー・オーリテイリングは、全15店舗のうち、阪急本店(大阪市)や阪神梅田本店(同)などの計10店舗を2025年の元日および2日に休業すると発表している。
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