「偏差値70を超えたらヘラクレスオオカブトを買ってあげるよ、と約束していました。そして、結果を見た息子は悔しさのあまり雄叫びをあげた」
中学受験を志す小4の息子さんを応援するXアカウント「たぬきち2027W中学受験」(@zvZ4MReo0a33222)に投稿された内容が、話題を呼びました。
ヘラクレスオオカブトは、「昆虫の王者」とも呼ばれ、昆虫好きにとっては憧れの対象です。そんなヘラクレスオオカブトを、次のテストで偏差値が70以上だったら買ってあげる――そんな約束を親御さんと交わし、いつも以上に意気込んでいた様子の息子さん。
今回息子さんが受けたのは、株式会社四谷大塚の、早稲田アカデミーなどの提携塾で定期的に実施されている「カリュキュラムテスト(Cコース)」という模試。特に、Cコースは応用問題が主に出題され、難易度が高いといわれています。
|
|
にもかかわらず息子さんは100点満点を取り、全国1724人の受験者数のなかで見事トップに立ちました。
ところが――。
肝心の偏差値はというと、69.98。なんと、目標の70にわずか0.02ポイント足りませんでした。
予想外の残念な結果。Xのリプ欄にもたくさんの反響がありました。
「偏差値は他力なので難しいですね」
「これは、もう買ってあげていいレベルでは」
「でも『これ以上は無い』結果だから素晴らしいよ、買ってあげて!」
「これほど四捨五入したくなったのは初めてかもしれない」
「点数は絶対評価だけど順位や偏差値は相対評価なので自分ではどうしようもないこと、自分以外の人も自分と同じように頑張ってることがわかってよかったんじゃないですかね」
|
|
コメントでも指摘がありましたが、偏差値とはあくまでも「自身の結果が全体の中でどれくらいの位置にあるのかを示す指標」であり、他の受験者たちの結果によっても数値は変わるもの。その意味で、本人の努力、得点だけではどうしようもない部分もありました。
まして、本テストのなかでも「Cコース」は出題される問題のレベルが高く、日ごろから勉強に熱心に取り組んでいる生徒が多く受験していました。そのため、結果的に個々人での点数の差があまり出ず、それが偏差値にも影響してしまったのかもしれません。投稿された「たぬきち2027W中学受験」さんに話を聞きました。
――「ヘラクレスオオカブトを買ってあげる」と約束した経緯は?
「この夏、息子は熱帯雨林に生息する生物の大きさに惹かれ、自由研究に取り組みました。そのなかで“ヘラクレスオオカブト”への憧れが強まり、次第に『飼育してみたい』と口にするようになりました。同時に、中学受験の勉強を始めたタイミングで、息子の中では“偏差値70”という数字に対しても憧れがありました。どちらも憧れ、入手困難であることから、自ら掴み取るチャレンジを設定しました」
――今回のテストに向けて、息子さんはかなり勉強していたのですか?
|
|
「一朝一夕で(点数が)取れるものではないため、今回特別なことはしていません。失敗があれば検証をする、細かいことの繰り返しです。ただ、辛抱強く積み重ねることは小学生には難しいので、『憧れ』や『好き』の気持ちがあったからこそ、踏みとどまれたように思います」
――テストが返ってきた時の息子さんの様子は?
「メチャクチャ怒っていました(笑)。満点をとれば(目標に)辿り着くと思っていただけにガッカリ度合いも半端なかったです」
――それでも素晴らしい成績だと思います!
「競争とは理不尽な側面があることも学べたように思います。少し早い社会勉強ですね」
結局買ってもらえることになって大喜び、次の目標達成にも意欲
今回は惜しくも、わずかに目標には届きませんでした。
しかし、素晴らしい結果を受け、ヘラクレスオオカブトは買ってもらえることに。当初は悔しい思いをした息子さんでしたが、結局は大喜びしているとか。
ヘラクレスオオカブトの購入については、事前に親子で飼い方を勉強し、暖かくなる来年の春先ごろを予定しているとのことです。
また、“偏差値70”の目標についても、「次はちゃんと取りたい」と気持ちを新たにしているそう。次回は見事目標を達成できるよう、頑張ってほしいですね。
◇ ◇
生き物が好きで、「生物学者になること」が将来の夢であるという息子さん。そんな息子さんについて、親御さんはこのような希望をもっています。
「親としては『優秀な子』よりも『好きなものを集められる子、好きなもので人とつながれる子』に育って欲しいと考えています。中学受験をさせた理由は『生物が好きな子』たちとつながり、学問を通じて見識を深めて欲しかったからです」
大きな夢と目標を胸に、息子さんは日々学んでいます。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・竹中 友一(RinToris))