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■『ドラゴンボール』は打ち切り危機だったことも
本日、2024年11月20日は「週刊少年ジャンプ」1984年51号で『ドラゴンボール』の連載が始まってから40周年という節目の年である。今年は作者の鳥山明が死去し、世界中が悲しみに包まれたが、新作テレビアニメ『ドラゴンボールDAIMA』は好調であり、改めて『ドラゴンボール』というコンテンツの偉大さを実感させてくれる。
(参考:【写真】悟空、クリリンや、ミスターサタン、チチ、魔人ブウなど主要キャラの新作イラストに興奮)
日本を代表する漫画である『ドラゴンボール』は、鳥山明にとって実質2作目の長期連載作品である。当初は、世界中に散らばったドラゴンボールを探す冒険物語だった。『Dr.スランプ』の大ヒットゆえに当初から編集部の期待度も高かったが、回を重ねるごとにアンケートの順位は下がっていき、打ち切りの危機に瀕したこともあるという。
そこで、テコ入れが行われた。孫悟空を強さを追い求める少年漫画の王道ともいえるキャラクターとして定義づけ、ライバルのクリリンの登場、天下一武道会の開催などを軸にストーリーを展開したところ、人気が急上昇。その後、ピッコロ大魔王が登場するとギャグが少なくなり、シリアスなストーリーが描かれるようになった。
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そして、悟空が大人になり、自身がサイヤ人であることを知り、ベジータ、フリーザなど最強のライバルが登場した頃には「ジャンプ」の看板タイトルとして不動の地位を獲得。「ジャンプ」の部数も急上昇し、最終的には約653万部を敢行するという二度と破られないであろう記録を打ち立てたのは『ドラゴンボール』の功績が大きいといえる。
■世界に広がる『ドラゴンボール』人気
連載終了後も、『ドラゴンボール』はメディアミックスが積極的に行われ、連載をリアルタイムで読んでいない若い世代を引き付けるビッグタイトルになっている。そして、海外での人気も凄まじいものがあり、サウジアラビアには世界初となる『ドラゴンボール』のテーマパークが計画されている。
なお、『ドラゴンボール』の連載が始まった「ジャンプ」1984年51号はとてつもないプレミアがついている。2年前は18万〜20万円で取引されていたが、現在では30〜50万円で取引される。人気漫画の連載が始まった号はプレミア化が著しいが、『ドラゴンボール』の連載開始号は“別格”であるという。
2023年12月25日には、未読で購入時のままの「ジャンプ」1984年51号が、ヤフーオークションで驚きの50万9000円で落札されている。最新のアニメでも盛り上がるし、40年前に刊行された古書の世界でも盛り上がる。『ドラゴンボール』が世代を超えて人気を集めていることが、よくわかる事例といえそうだ。
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おそらく、『ドラゴンボール』は日本の漫画・アニメでもっとも人気のある作品と言っても過言ではないだろう。日本の漫画・アニメの底力を世界中に広めた意味でも、歴史に残る傑作だし、今後も新しいファンを獲得し続けていくに違いない。
(文=元城健)
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