バスケットボールB1千葉ジェッツの渡辺雄太(30)が、日本代表の盟友、NBAレイカーズ八村塁(26)が日本協会(JBA)と男子を率いるトム・ホーバス監督の批判を繰り広げている騒動について28日、言及した。
「隠しようがありませんが、塁とトムの関係性が良くなかった。事実として実際にあります」と切り出した上で、きっかけについて「(昨夏の)ワールドカップ(W杯)が終わった後の記者会見でトムが発した発言について変な切り取られ方をして、それを塁が目にして、怒ったところです」と明らかにした。
当時、何があったのか。
2023年9月3日。日本の沖縄などで開催された男子W杯で、翌24年のパリ五輪(オリンピック)出場権を獲得した日本代表が記者会見した。
この大会は八村が出場辞退。エース不在も、代表は地力で切符をつかみ、さらに相手のレベルが上がる五輪に向けて、ホーバス監督は「どう八村とコミュニケーションを取っていくか」などと質問されていた。
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その時の答えは、こうだった。
ホーバス監督「彼がやりたいなら、彼から声をかけてくるべきだ。私たちのスタイルは変わらない。彼が来るなら、うちのバスケットをやらせる。彼には入ってほしいけれど、やらないなら、このチームでいいチームをつくる。自信があります」
この発言を、報道を通じて知った八村が怒ったといい、JBAは会見の19日後に異例の釈明、補足を行っていた。
23年9月22日。日本協会は「会見当日の発言がホーバスHCの母国語ではない日本語での発言・対応だったことにより、本意とする内容とは若干内容が異なる形で広まってしまったことから、あらためて、その内容・真意についてご説明をさせていただくことを目的とするもの」として書面でメッセージをリリースしていた。
JBA会が参照用として用意したホーバス監督の談話の日本語訳によると「私の発言が、私の意図とは違う意味でメディアによって報道されていることに気付きました。また日本語の表現も少し違っていた部分があり、誤解のないように英語で訂正した方がいいと思いました」。続けて「私が日本語で、もし代表チームでプレーしたい場合は『彼が私たちに電話するべきだ』と言ったことは、八村選手の日本代表での将来について混乱を招いてしまいました。実際のところ、JBAは八村選手や彼のマネジメントチームと定期的に連絡を取り合っていますし、彼はいつでもチームジャパンでプレーする権利を持っています。彼のこの10年間に渡る代表への貢献は、チームジャパンの成長には不可欠なものでした」と釈明していた。
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1年2カ月後。この発言は尾を引き、確執に収拾がつかないままだった。この日、協会の会長や技術委員長ではなく、選手の立場で両者の“仲裁”に踏み切った形の渡辺は、次のように明かした。
「その後、僕はすぐ塁に連絡を取って、あの時のトムの発言内容は塁を敵にする発言ではなかった、と説明したんですけど、塁からすれば『仮にそうだとしても、世間からそう思われている時点でトムの発言はまずかった』と話していました」
その後も誤解を解くため継続的にコミュニケーションを取ってきたが、関係悪化の問題は収まらず、八村が米国から発した体制批判によって表面化していた。
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