核廃絶へ「責任問われている」=団体立ち上げた若者―日本被団協ノーベル賞決定

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2024年12月06日 07:31  時事通信社

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日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)代表委員だった坪井直さん(前列中央)と高橋悠太さん(後列中央)ら=2017年12月(高橋さん提供)
 ノルウェー・ノーベル賞委員会は、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)への平和賞授賞決定理由で「日本の若い世代は被爆者の経験を継承している」と指摘した。日本被団協代表委員だった故・坪井直さんから話を聴き、後に核兵器廃絶を目指す団体を立ち上げた高橋悠太さん(24)=横浜市=は「責任を問われている」と語る。

 高橋さんは広島県福山市出身。中学1年から、クラブ活動で被爆証言を聞き取るなどしてきた。その中で、原爆で全身やけどを負い、がんなどを抱えながら平和を訴える坪井さんと出会った。

 中3の時、仲間と共に広島市に赴き、当時90歳だった坪井さんから2日間で計約5時間、話を聴いた。2日目、重い口を開き、自身が受けた結婚差別について語る姿を「いつも背筋を伸ばしていた坪井さんが、小さくなってポロポロ涙を流し、沈黙した後、声を絞ってくれた」と振り返る。

 「後世のため、本当は話したくないことを話してくれた」。そう考えた高橋さんらは1年以上かけて証言を冊子にまとめた。受け取った坪井さんは「頼んだよ、若者」と握手してくれた。

 大学に進学した高橋さんは新型コロナ禍のさなか、被爆者のオンライン証言会を開くなどしてきた。在学中の2021年、坪井さんが96歳で死去。仲間は就職などで活動から離れたが、ロシアのウクライナ侵攻などに危機感を抱き、「覚悟を持って核廃絶を仕事にしよう」と卒業直後の23年春、一般社団法人「かたわら」を立ち上げた。

 かたわらは、政策提言を中心に核廃絶に取り組む。「若い世代に関心を持つ人が増えてきた」と手応えを感じているが、「まだごく一部」とも認識している。「核の問題は社会全体に関わるという意識を広げていきたい。私たちは被爆者ではないが、メッセージや問題意識を引き継ぐことはできる」と前を見据えている。 

日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)代表委員だった坪井直さんの冊子を手にする高橋悠太さん=11月8日、東京都渋谷区
日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)代表委員だった坪井直さんの冊子を手にする高橋悠太さん=11月8日、東京都渋谷区

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