中国当局は、アメリカの半導体大手エヌビディアを独占禁止法違反の疑いで調査を始めたと発表しました。
中国国営の中央テレビなどによりますと、中国の国家市場監督管理総局は9日、アメリカの半導体大手エヌビディアを独占禁止法違反の疑いで調査を始めたと発表しました。
エヌビディアは過去にイスラエルの半導体企業メラノックス・テクノロジーズを買収した際、中国当局から条件付きで承認を受けましたが、この条件に違反した疑いがあるとみられています。
独占禁止法違反と認定された場合、エヌビディアに巨額の罰金が科される可能性もあります。
アメリカのバイデン政権は去年、軍事転用の可能性があるAIの技術開発が中国で進むのを防ぐため、AIに使われる先端半導体をめぐる輸出規制を改訂し、強化すると発表していました。
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アメリカは今月2日、中国に対する先端半導体の製造装置などの輸出規制を発表し、中国は翌日、半導体の材料となる一部のレアメタルのアメリカへの輸出を禁止する措置を取りました。
エヌビディアは、AI用の先端半導体で世界シェアのおよそ8割を占めています。
中国による今回の調査は、アメリカによる先端半導体の輸出規制強化に対する対抗措置の一環という見方もあり、米中間の貿易をめぐる摩擦が一段と激しさを増しそうです。