キャスターの小倉智昭さん77歳が9日、自宅にて息を引き取った。死因は明らかにされていないが、小倉さんは長らく闘病生活を続けていた。
16年5月に膀胱がんを公表し、18年には膀胱から大量出血をし全摘出。21年に肺への転移が見られすでにステージ4まで進行。23年には腎うがんが見つかり、左の腎臓の全摘出を受けた。
自分が死んで慌てないように
今年3月に受けた週刊女性でのインタビューでは、危篤状態に陥り「死」と向き合ったときの話をしてくれた。
「若いころはね、ぽっくり死ぬことに憧れていましたけれども、それだと命を終える準備ができないじゃないですか。がんの場合は準備ができるんですよね」
と前を向き、“遺書がわり”に古市憲寿と『本音』という共著を書き上げた。同時に終活もはじめ、事務所においてあった絵画、楽器、DVDなど、大量のコレクションに手をつけたという。
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「僕が死んでからあわてて処分しても二束三文で買い叩かれるから、今のうちに練馬の自宅に引き揚げて、余生は好きなコレクションに囲まれて暮らせばいいでしょって、女房が言ってくれましてね。家のリフォームから荷物の引き揚げまで、女房が一人で全部やってくれたんで、もう、女房に頭が上がらなくなっちゃった」
大量のコレクションが自宅を占拠したことで、小倉さんの奥さんは母親が暮らす都内の実家に引っ越したのだという。週に何度か妻が夫の家を訪れるという“別居状態”になるも、
「離れて暮らすと相手を思う気持ちが強くなるんですよ。毎日、おはようとおやすみのLINEは欠かさないし、91歳になる女房の母親も娘が帰ってきたことで以前よりも僕のことを気遣ってくれるようになった。
先日、女房が練馬に来たときに、久しぶりに外で食事をしたんです。その帰り道で、何年かぶりに手をつないで歩きましたよ。違和感なくね。一緒に暮らしているとケンカしたりもするけれど、離れて暮らすとお互いに優しくなれるんだね」
と、うれしさを隠さずに教えてくれた。
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“朝の顔”を22年間務めた小倉智昭さん。年の瀬にまたひとつ、悲しいニュースが舞い込んだ。