息子失い「一生分泣いた」=遺族ら、現場で祈り―26人死亡、大阪ビル放火3年

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2024年12月17日 10:31  時事通信社

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時事通信社

現場の雑居ビルの前で手を合わせる、亡くなったクリニック院長西沢弘太郎さんの妹伸子さん(右)=17日午前、大阪市北区
 大阪市北区の雑居ビルに入る心療内科クリニックで26人の命が奪われた放火殺人事件は17日、発生から3年となった。現場のビル前では遺族らが犠牲者を悼み、祈りをささげた。

 事件で息子を亡くし、毎年現場を訪れているという70代の女性は「息子が生きてきた何十年間の思いをとどめておきたい」と涙を浮かべた。事件直後を振り返り、「自分の人生がころっと変わった。ショックで8カ月寝ることができなかった。涙が出て、一生分泣いた」と話した。

 犠牲者と親しかった40代知人は花束を手向け、「優しい人でした。あの日から時間が止まったまま。ここに来ても会えるわけではないが…」と言葉を詰まらせ、涙を拭った。

 犠牲となったクリニック院長の西沢弘太郎さん=当時(49)=の妹、伸子さん(47)も午前8時ごろ訪れた。ビルに向かって手を合わせ、約10分間読経した。

 亡くなった同院のスタッフと中高時代に同級生だったという大阪市の男性(52)は「いつもは時間が合わず夜に来ているが、きょうは火事が起きた時間に来てみた。つらかっただろう。今は安らかにできているのかな」とうつむきながら語った。

 事件は2021年12月17日午前10時15分ごろ発生し、男女26人が犠牲となった。大阪府警は22年3月、殺人などの疑いで、元患者の谷本盛雄容疑者=同(61)=を容疑者死亡のまま書類送検。大阪地検が不起訴処分とした。 

大阪ビル放火殺人事件から3年を迎え、現場の雑居ビルの前で手を合わせる人=17日午前、大阪市北区
大阪ビル放火殺人事件から3年を迎え、現場の雑居ビルの前で手を合わせる人=17日午前、大阪市北区

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  • 狂気の沙汰と言ってしまえばそれで終わる。話を聞いてもらってホッとして家に帰ればひしひしと孤独感がおぶさってくる。人は生きがいというものがなければ生きていけない。
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