人気アニメ『忍たま乱太郎』の劇場版アニメ『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』(20日公開)で、なにわ男子の大西流星と藤原丈一郎がそれぞれゲスト声優を務めている。大西は初めて、藤原は2度目の声優起用となるなか、2人は忍者役としてアクションシーンにも挑戦。奮闘ぶりをインタビューで振り返ってもらった。
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尼子騒兵衛氏の漫画『落第忍者乱太郎』から生まれ、人々から愛されている国民的人気テレビアニメ『忍たま乱太郎』。映画の物語は2013年に刊行された『小説 落第忍者乱太郎 ドクタケ忍者隊 最強の軍師』をベースにした初の映像化となり、劇場アニメ化を待ち望む声も多かった屈指の人気作となっている。
物語は、タソガレドキ忍者・諸泉尊奈門に挑まれた決闘に向かった後、消息を絶ってしまった土井先生。尊奈門とその上司にあたる雑渡昆奈門から一連の事情を聞いた忍術学園の山田先生と六年生たちは、土井先生の捜索に当たる…というストーリー。
2人が演じたのは、山田先生の息子でフリーの売れっ子忍者・山田利吉と忍務をともにする忍術学園の卒業生で、六年生の一年年上の先輩、大西は桜木清右衛門(さくらぎせいえもん)、藤原は若王寺勘兵衛(なこうじかんべえ)という、今作のために考案された完全オリジナルキャラクターをそれぞれが演じている。
■藤原の意外な“好きなキャラクター”は?「敵だけど愛されている」
――誰もが一度は親しんだことがあるであろう『忍たま』ですが、作品自体にどのような印象をお持ちですか。
藤原:家に帰ったらやっているアットホームなアニメ。毎週、ドラマなら次の話が気になるとかありますけど、その回ごとで完結してくれる。明日も頑張ろうと思えるような話、心が温まるような作品だと思います。
――そのなかでも特に好きなキャラクターはいたりしますか?
大西:僕はしんべヱです。すごく仲間思いでかわいらしくてちょっと応援したくなるようなキャラクター。ちっちゃい頃からかわいいなと思っていて。マスコットみたいな感覚になっちゃいます。
藤原:僕は食堂のおばちゃんと稗田八方斎です。食堂のおばちゃんは、ああいう方がご飯を提供していると、よりおいしく感じます。八方斎は、小学生のときに体操を習っていて、ブリッジの練習で八方斎が笑ったときの態勢体勢をマネするとうまくいくっていう(笑)。敵だけど愛されているのは『忍たま』シリーズのいいところやな、と思います。
■主題歌&名曲「勇気100%」カバーへの思い 大西「ひとつ夢が叶った」
――今回、主題歌「ありがとう心から」、そしてテーマソングで先輩たちも受け継いできた名曲「勇気100%」も担当されていますが、声優・そしてアーティストとしての参加を聞いたときの感想を教えてください。
大西:アニメ主題歌や「勇気100%」はなにわ男子の目標でもあった。なにわ男子としても『いつかはカバーして自分たちの声でお届けしたいね』と結構前から言っていたので、ひとつ夢が叶った感じでメンバーも盛り上がりました。僕は初めての声優業になるので、また新しい挑戦ができるというワクワク感でいっぱいでした。
藤原:主題歌を任せていただくというのをまず聞いて、子どもから大人になる時に絶対に一度は見たことのある『忍たま』に携われたといううれしさで、僕たちだけじゃなくてメンバーみんなすごく喜びました。さらに、僕と流星は声優でも参加ということで二度うれしさがあり、実際にアフレコや取材を受けるうちに現実味もわいてきたので劇場で早く見たいです。
――「勇気100%」にはやはり思い入れはありますか。
大西:先輩方がカバーされていて、ライブでも絶対に盛り上がる曲ですし、デビューしたら自分たちの曲で盛り上げないといけないので、その中に1個の引き出しとして「勇気100%」があることはすごく心強い。セットリストを決めるときも「やりたいね」とちょくちょく話題に出てたので、いつかライブで本当にできるのかなと思うとうれしいですね。
――主題歌「ありがとう心から」の聞きどころや2人が好きなフレーズを教えていただけますか。
大西:『忍たま』ならではの松井(五郎)さんと馬飼野(康二)さんがタッグを組んで、書き下ろしていただいたので歌詞もメロディーもすごくスッと入ってくるし、『忍たま』らしさもある。でも、なにわ男子としてこのテンポ感の楽曲は、これまでになかったような気がして。ゆったりとしたメロディーにストレートな歌詞が伝わりやすいですし、いろんな方に愛されるような楽曲だな、と思いました。
藤原:『忍たま』の主題歌だという先入観があったと思うんですけど、改めて『忍たま』らしさ、ストレートな歌詞にも注目してほしいです。歌っている僕たちも改めて感謝の気持ちだったり、当たり前のことを気づかされるような歌詞でもあるので。劇場でも聞いてほしいですし、これからのみなさんの日常に溶け込めるような楽曲になったらいいな。
――そのなかでお気に入りの歌詞などはありますか。
大西:歌い出だしですね。丈くんと「絶対 君を守りたい」…?(スマホで調べて)「絶対 君が守りたい」でした(笑)。一発目がその歌詞っていう仲間思いな気持ち、メッセージ性がすごく強く、メロディーも好きなので、そこですかね。
藤原:「ありがとう心から」というタイトルとサビの出だしが同じなので聴きやすくもあるし、シンプルな歌詞だからこそストレートに伝わるのが、この曲のいいところだなと思います。
■演じるキャラクターとの共通点は?「まったく一緒ですよ!(笑)」
――藤原さんは「あすかな」(『HoneyWorks 10th Anniversary “LIP×LIP FILM×LIVE”』)以来、2度目のアフレコですが、一度経験したからこそ勉強になったことや当時を思い出したことはありますか。
藤原:前回とはまったく違うというか。前回はもともと僕と大橋(和也)がやっていたバーチャル空間の中でのキャラクターがゲストで出演したので、キャラクターは僕らが作り上げたものだし特に指導などもありませんでした。でも、今回は『忍たま』の世界で生まれた卒業生という役柄なので違う部分もあったし、森久保(祥太郎)さんとともに収録させてもらえたので色々聞いたり質問したりアドバイスをもらえて、すごくやりやすかったですね。
――大西さんは初挑戦となりましたが、参考にしたものや藤原さんに何かアドバイスいただいたとかそういったことがあれば教えてください。
大西:まず、どうやってアフレコや声優の仕事で進めていくのかなというところからだったんですけど、監督とお話をして『こういった役柄です』と説明され、森久保さんにもあいさつして、じゃあ 1回やってみましょうか、と。ぶっつけじゃないですけど一旦やってみないと確かにわからない。すごく繊細なお仕事だと思いました。映像もまだ一部完成してない状態で自分たちの声を合わせて、だったので自分たちの声がどういう感じでキャラクターとマッチしてるのかは、本編が完成してからのお楽しみですね。でもすごく楽しかったです。
――セリフ以外でも吐息やアクションなども難しそうでした。
大西:アクションシーンが多かったのでタイミングや、忍者ならではの俊敏さがあるので普通のアクションシーンよりもスピードがすごく早くて技の数も多い。そこは『吐くだけじゃなくて吸うことも大事だよ』と森久保さんに教えていただきました。本当に未知の世界すぎて…それからアニメを観たりすると、すごく大変なことをしているんだと思うようになりました。
―― 一緒にアフレコされたということでお互いの声についてどう感じましたか。
大西:一発目からすごく声がでていて、やっぱり経験者だからこそ雰囲気に慣れてるのかな、と思いましたし、声質的にもすごく低い声でも響くので、そこはうらやましいなと思っていました。
藤原:このキャラクターを見た時に流星らしい色白感もあるし、髪色もオシャレな感じだったので、流星なら似合いそうやな、と思っていたら案の定、マッチしていた。流星の個性のある声がよりキャラクターに活かされていました。アクションシーンは僕も初めてなので、スタートが一緒だったのは心強かったです。森久保さんにアドバイスをもらいながらやっていました。
――大西さんからみて藤原さんが演じたキャラクターの印象はいかがでしたか。
大西:本当に甲子園に行ったあとの丈くん。最近『ザ!鉄腕!DASH!!』のロケで日焼けしたと言っていて、今もそうだと思うんですけど…ここまでは焼けてないかもしれないですけど、目のキリッとした感じだったり、似てるまではいかなくても、青い服も着てますし、イメージしやすかったです。僕は、自分とはかけ離れたすらっとした、キリッとした感じだったので自分とは違う自分に出会える感じがして面白かったです。
――そんな自分とは離れた桜木清右衛門を演じる上では、どんなことに気をつけましたか。
大西:キャラクターにも感情があるので、ピシッとした声と愛想を振りまいている声だったり、その使い分けは、難しいと思いました。だからこそ、自分の声とはちょっと離したいので、ちょっと低めに、太めの声にしようというのは心がけました。
――いつも優しく笑みを絶やさない清右衛門は、割と普段の大西さんと共通しているようにも感じます。
大西:でも芯の強さや、卒業生だからこそ自立してる感じは、ちょっと尊敬する部分でもありますね。
――藤原さんは、若王寺勘兵衛を演じる上で意識したことはありましたか。
藤原:お芝居なら自分の表情だったりを加えられるんですけど、声優となると声だけで表現しないといけない難しさがまずある。そこは深掘りをしたことがなかったので、このキャラクターをどう色付けしていこうっていうのも難しかったし、アクションシーンは、卒業生という設定の僕ら2人を、いかに弱々しく見せないか。戦ってるシーンではずっと勝っているわけでもないので、攻撃を受けるシーンもあったりして、そこで強弱だったりを意識しながらキャラクターを作っていきました。
――勘兵衛は快活に見えて実は頭脳派というキャラクターですが共通項はありますか。
藤原:まったく一緒ですよ!(笑)一緒すぎて、調べてくれたんだなと思うくらい。
――寄せてるんですね(笑)
大西:多分そう。(藤原は)頭でしか考えられない。
藤原:語弊しかない!“頭でしか”って!
大西:なにわ男子の最年長としてのしっかり感。卒業生としてのしっかり感が、似ているのかな。しっかりした大人といった感じはします。
――在校生よりは戦闘能力は高く、山田利吉よりは苦戦してしまう設定上、難しいところもあったと思います。
藤原:その場で言われたことを体現することを意識するようにしました。こっちが満足したかしてないかよりは僕らは本当に声優初心者というレベルなので。監督や森久保さんが『今のテイク良かったよ』と随時言ってくださるんです。と、言われるとちょうどブースから『いただきました』と言われて、これがOKだったんや!とやりやすい環境ではありました。
――プロの声優さんである森久保さんにアドバイスをもらうなかで一番、参考になったことはなんですか。
大西:攻撃を受けるときもどこを攻撃されるかで本当に1個1個が全然違うから『ここは “あー”とか“たー!”とかでもいいんじゃない?』みたいなこととか、普通の人間では出さないようなアニメだからこそ出る吐息みたいなもののバリエーションも、すごく勉強になり、学びでした。
藤原:驚くシーンで「…ッ」と台本に書いてあって。なにを口から出したらええんやろと思って森久保さんに質問したら「ここはもう声をだしちゃっていいよ」「僕ならこういう言葉を言う」とか教えてくださって。アドバイスというより的確にゴールをくださる。そこで自分が言ってみるとまた森久保さんの声とは違って、個性になると思うのでアドバイスを聞きながらアクションシーンをさせていただきました。
――お互いに“忍者っぽい”と感じるところはありますか。
大西:お仕事とか終わった時に衣装を脱いでメイク落とすスピードが早くて体感15秒ぐらい。で、どっかいっちゃうので、あれは絶対忍術に違いないと思っています。
藤原:逆に流星は、仕事が終わってから帰るまでは遅いけど、メイク中の手の動きはすっごい早いんです。去年のライブの最終公演、流星が開演時間を間違えていて、時間があと15分しかないってなった時は、普段は鏡を見ながらメイクするのに、歩きながら鏡ナシでメイクをしていたので忍者っぽいなと思いました(笑)。
――最後に、お二人が注目してほしい場面を教えてください。
藤原:アクションシーンです。半分くらいアクションシーンなので。最初に2人が登場するシーンが第一声ではわからないかもしれないです。あれ、今の2人だったんや、からのちゃんと名前を言うシーンがあって、そこからのアクションシーンには注目してほしい。いかに声で表現できるか楽しみにしていただきたいです。2人が『忍たま』という作品のなかに入ってるっていうのもぜひ楽しみにしていただけたら。
大西:今回の中心人物・天鬼の正体を明かされた時の僕たち。『え!』と驚くカットがありまして、森久保さんからも口の開き方も教わり、声量にもこだわったのでそこも観てほしいです。