私はタイゾウの腕を引っ張って、その場を去りました。しかし怒っている私とは対照的に、タイゾウは何も考えていない様子。「もっと話したいからウチに来ませんか、ってサキさんが言うから、お邪魔させてもらっただけだよ?」
単身赴任で旦那さんが不在の家に、誘われてノコノコ入っていくなんて……。タイゾウは自分がしでかしたことの重大さに気付いたのか、うつむいていました。私はここで、ずっと疑問に思っていたことをタイゾウに確認してみます。
サキちゃんから誘われるまま、家に上がり込んでしまったタイゾウ。しかもサキちゃんの言うことを真に受けて「ヤキモチ焼いてるの?」とヘラヘラしながら言う始末。自分のしでかしたことをまるで分かっていないタイゾウに、私の怒りは頂点に達していました。「オレは誘われただけだから悪くない」というような雰囲気を出していたけれど、タイゾウも同罪です。
その後私に叱り飛ばされたことで、タイゾウもようやくことの重大さがわかったようです。すぐに私の目の前でサキちゃんのことをブロックして、連絡先を消してくれました。サキちゃんはわかりませんが、少なくともタイゾウはこれで反省してくれるといいなと思います。
【第3話】へ続く。
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