私たちが生活するうえで、欠かすことのできないのが「ごみ出し」です。ところが、埼玉県川口市では、ごみが出せない事態となっています。何があったのでしょうか?
およそ60万人が暮らす、埼玉県川口市。この都市で今、ある“異変”が起きています。
記者
「川口市のごみ集積所には、回収されなかったごみが山積みになっています」
年末年始でたまったごみは6日から収集される予定でしたが、これが未回収のままのところがあり、市内のあちこちで山積みとなっているのです。
川口市民
「困りますよ、やっぱり。ちゃんと決められた日に(ごみ収集に)来てくれないと」
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きっかけは今月3日、ごみ処理施設「朝日環境センター」で発生した火災でした。
この影響で、ごみ処理機能が完全に停止。火災の原因については、一般ごみの中にリチウムイオン電池などの発火物が入っていた可能性が高いということです。
朝日環境センター 平山英俊所長
「(通常)毎日、運ばれてくるごみの量は1日400トンくらいです。(ごみをつかむ)クレーンが焼けてしまっているので、今後、クレーンを早期に復旧し、一日でも早く焼却ができるように日々努力する」
川口市にあるごみ処理施設は2つ。市は、残る1つの施設で市内すべてのごみ処理を行うことにしましたが…
記者
「川口市中のごみが集まっているということですが、ごみが壁のように山盛りになっています」
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こちらの施設だけで処理できるごみの量が限界に達し、パンク状態に。市内の各所で年始に出されたごみを残したまま、機能不全に陥りました。
戸塚環境センター 梨子木芳夫所長
「今の状態で市内のごみ処理することができない状況ですので、私としては危機的状況だと思います」
こうした中、おととい、川口市の市長が異例の呼びかけを行いました。
川口市 奥ノ木信夫市長
「体制の再構築のため、1月9日、10日のごみ収集を停止いたします。ご理解、ご協力を賜りますよう、お願い申し上げます」
川口市は「きょうとあすは収集日でも一般ごみは出さないで」と呼びかけていますが、市民の反応は…
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川口市民
「なるべく臭いが出ないように消臭剤を入れたりして対処しているんですけど、これがいつまで続くのかちょっとこわいですよね」
「火事になっちゃったんだから仕方がないよね。だから、自分のところで(ごみを)しまっておかないと」
「おむつのごみとか子どもがいるとたまるので、いつまで捨てられないのかなという不安はあります」
一方、川口市は、市内のごみ処理施設で発生した火災は「今回が初めてではない」と注意を促します。
戸塚環境センター 梨子木芳夫所長
「(過去に)リチウムイオン電池が原因で、ボヤが起きたということは聞いている。市民の方には分別をやっていただいて、今回のような事故がないようにご協力をお願いしたい」
川口市は近隣の自治体などにごみ処理を依頼して、来週には通常通りのごみ収集を再開するとしています。