前回からの続き。俺は内田ノブヒコ40歳。サヤカ35歳と出会い再婚したばかりだ。サヤカは前の旦那さんとは死別し、10歳になる息子シュウがいる。俺には子どもはいなくて、前の妻ナオミとは4年前に離婚をした。俺の両親は所有するマンションの1室を、ナオミにタダで貸している。俺とナオミが穏便に離婚できるよう、両親の計らいだった。そのことはあえてサヤカには話さなくてもいいと思っていたのだが……。偶然彼女が知ることとなり、サヤカは激怒してしまった。
結婚式の翌日。休みだったため、俺は義理の息子となったシュウとショッピングモールに来ていた。シュウが本を見たいと言うので、その間俺はベンチに座り休憩していた。まいったな……頭に浮かぶのは、昨夜のサヤカとの喧嘩。ただ俺とナオミはもう赤の他人だ。両親がナオミにマンションの1室を貸していても、俺には関係のないことなんだよな……ってわけにもいかないから、サヤカを怒らせてしまったんだよな。どうも俺は、女性の気持ちを察するのが下手なようだ。
ナオミが実際に浮気をした証拠はないが、疑わしい行動はいくつもあった。喧嘩の末にナオミが怪我をする事態が起こり、俺たちはもう離婚しか選択肢がなかった。
シュウが書店から出てきた。彼は俺のことをノブさんと呼んでいる。まだ他人行儀だが、シュウのいい父親になりたいと思ってる。
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サヤカと喧嘩をした翌日。俺は元妻ナオミとの生活を振り返る。俺は仕事が忙しいあまり、ナオミのことを大切にできなかった。
寂しさからか、ナオミは浮気が疑われる行動をとっていた。こうして俺たちは結婚生活を維持できなかったんだ。
離婚後に出会ったサヤカ。彼女は前向きで頑張り屋な女性だ。俺はサヤカとシュウと一緒に幸せな家庭を築きたいと、心から思っている。
そのためにはまず、ナオミが両親のマンションに住んでいる件を話さなかったことを、あらためて謝ろうと思う。
【第6話】へ続く。
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