三菱UFJ銀行の元支店長代理の女が貸金庫から金塊を盗んだとして逮捕された事件。女は借金の返済に困って盗みを始めたということですが、民事再生法の適用を申請した後にも投資や競馬を再開していたことがわかりました。
三菱UFJ銀行の元支店長代理・今村由香理容疑者(46)。去年9月、男性客2人が貸金庫に預けていた金塊19.5キロ、およそ2億6000万円相当を盗んだ疑いで、きのう、警視庁に逮捕されました。
貸金庫の管理責任者だったという今村容疑者。どうやって金品を盗み出したのでしょうか。
貸金庫を開けるには、銀行用と顧客用の2種類の鍵が必要ですが、支店には客のスペアキーが保管されていて、今村容疑者はこれを無断で使用し、犯行に及んでいました。スペアキーは割り印をした封筒に保管されていましたが、犯行後に封筒に戻したうえで、再度のり付けしていたということです。
今村容疑者
「あとでチェックされると思い、封をはがすときにも丁寧にやっていた」
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また、想定外の来客があった時は貸金庫システムを意図的に切断し、「故障している」なとど言って、中に入れないようにしていたということです。
さらに今村容疑者は被害の発覚を遅らせるため、盗む前の金庫の中の状態をスマホで撮影。顧客の来店前に別の客の金庫から現金を盗み出し、一時的に補てんしていたこともわかりました。
三菱UFJ銀行練馬支店の顧客(60代)
「(銀行の)ネームバリューで信頼しているので、僕を含めて、みんなショック」
三菱UFJ銀行練馬支店の顧客(70代)
「呆れてものがいえないというのが本当のところ。そこそこの年収もあったと思うので、その辺コントロールできなかったのか」
三菱UFJ銀行練馬支店の顧客(70代)
「駄目よ、そういうのは。ちゃんと仕事しなさい、庶民のこと考えなさい」
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今村容疑者は消費者金融を利用していて、返済に困って盗みを始めたといいます。
今村容疑者
「2013年ごろにFX取引や競馬などで、およそ700万円の借金を抱えた」
今村容疑者は2013年8月に民事再生法の適用を申請。その後、認可されていたということです。しかし、およそ1年後、投資などを再開し、10億円以上の損失を出していたことが新たにわかりました。
近所の人に今村容疑者は、どう映っていたのでしょうか。
今村容疑者を知る人
「丁寧な感じでしたね。地主さんだから、お金持ちだとは思っています。裕福に育って、お金を使うのは慣れているのかもしれないけど、お金の借り方は知らなかったのかな」
「年あけて早々に見かけた。買い物袋もって、そこから入った。(Q.特に変わった様子は?)ないない。おとなしそうな感じ」
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今村容疑者は取り調べに対し、容疑を認めているということで、警視庁は余罪を調べています。