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柔道男子100キロ級で2016年リオデジャネイロ五輪(オリンピック)銅メダリスト羽賀龍之介(33=旭化成)が20日に都内で記者会見を行い、現役引退を発表した。「引退することを決意しました」。冒頭であいさつをし、「去年、2024年の全日本選手権後から、いまの自分のレベルで全日本で優勝を目指すのは厳しいと思い、強化していくことも含めてやりきったと強く思った。引退を意識するタイミングではありました」と説明した。
長きにわたって日本重量級の主役の1人として活躍を続けた。切れ味鋭い内股、軽快な小内刈りが武器。東海大相模高1年時に金鷲旗大会で史上初の20人抜きを達成し、高校、大学と日本一、ユニバーシアード大会も制覇した。東海大卒業後に進んだ旭化成では2015年の世界選手権で金メダルを獲得。翌2016年のリオ五輪では悔しい銅メダルに終わったが、日本柔道界の看板選手として存在感を放ち続けた。
20年4月の全日本選手権で初優勝を飾り、23年までの4大会で3度の決勝進出も果たした。同年11月には全日本柔道連盟の強化選手を辞退し、国内大会に専念。2度目の優勝をかけた昨年大会では3回戦負けとなった。
「長く続けるよりも、全日本などで勝つレベルにあるかを見極めることが必要だと思った。アスリートにとって引き際を自分で決められたのは幸せでした」と引き際を決めた。現役終盤は五輪を目指さない決断もした。「自分と向き合う時間が多かった。柔道の奥深さを知る事ができた」と振り返った。
今後は指導者を目指す。今年から2年間、ドイツに渡り、知見を広げる。同時に旭化成のコーチ、男子日本代表でも特別コーチを務め、「日本と違うシステムがあると思う。日本の柔道界にいかせたら」と望んだ。
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◆羽賀龍之介(はが・りゅうのすけ)1991年(平3)4月28日、宮崎県生まれ。5歳から柔道を始める。神奈川・東海大相模高−東海大−旭化成。10年世界ジュニア選手権優勝。15年世界選手権優勝。井上監督と出身、出身校、得意技の内股も同じで「後継者」と呼ばれた。左組み。趣味は読書。187センチ。
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