<こんな人>
柔道男子100キロ級で16年リオデジャネイロ五輪銅メダリストの羽賀龍之介(33=旭化成)が現役引退を発表した。
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羽賀の逸話で好きなのは、幼少期の稽古中の休憩で水を飲んで戻ると「○○のお母さん、髪形変えましたね」と師範に伝えた話だ。大学1年の講道館杯では、決勝戦のスタンドの一番上で観戦していた人の応援姿を再現した。大柄な体で豪快に跳ね上げる内股、軽快な足技が畳での武器とすれば、畳以外も含めた長所こそ、この視野の広さと観察力だった。
「龍先輩」とさまざまな後輩に慕われたのは、困っている状況を察知して動くから。学生時代から指導で困っている選手がいれば、無理に教えすぎず、分かりやすいレベルに合わせて教えたり、時間内で参加人数を満たすメニューなどもすぐに浮かんだ。相撲や競泳などの交友範囲の広さも、幼少期からの性格の賜物だろう。
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「いま、柔道界も競技人口が減っているなどネガティブなニュースも耳にしますが、人のせいにせずに自分自身ができることをがきっとある」と会見で語った。「競技に勝つ以外のプラスアルファを」。視野広く。選手時代から追求する命題は、指導者人生でも変わらない。【12〜16年柔道担当=阿部健吾】
◆羽賀龍之介(はが・りゅうのすけ)1991年(平3)4月28日生まれ、宮崎・延岡市出身。5歳から柔道を開始。神奈川・東海大相模高−東海大−旭化成。10年世界ジュニア選手権優勝。15年世界選手権優勝。井上康生氏と出身、出身校、得意技の内股も同じで「後継者」と呼ばれた。左組み。趣味は読書。187センチ。
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