埼玉県八潮市の映像です。道路が大きく陥没し、トラックと運転手が転落してから32時間になります。未明には別の陥没も発生し、一時、救助作業は中断していましたが、先ほどから再開しています。
陥没事故の発生から32時間。はしご車に乗る消防隊員の奥では、いまも大量の水が流れ落ちる様子が確認できます。
現場で動きがあったのは、未明のこと。トラックの荷台部分が大型クレーンなどによって引き上げられました。
しかし、同じころ、目と鼻の先で新たな陥没が発生。穴の範囲は徐々に広がっていて、午後2時半現在、幅およそ10メートル、深さも5メートルほどになっているということです。
運転席はいまも穴の中に。消防などは二次災害が起きないよう、慎重に作業を進めています。40分ほど前には、消防隊員らのすぐそばで側面が崩れる様子も。
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なぜ今回、巨大な陥没が相次いで起きたのか。県によりますと、考えられる原因のひとつがこうです。
下水管に亀裂が入り、水が漏れ出すと、土砂が下水管の中へと流れ込みます。もともと土砂があった場所が空洞になり、耐え切れなくなったアスファルトが陥没してしまったのではないか。
県は下水管が詰まり、逆流するおそれがあるとして、住民に風呂や洗濯の排水を控えるよう呼びかけています。
近くに住む人
「(風呂から)上がって(使用制限に)気づいて、半分だけ洗濯に使ったんですよ。(約半分は)流さないで溜めていますね。きょう着た服を冬で汗をあまりかかないので、2日、3日着ようかな」
影響は120万人に及ぶとみられ、ほかにも付近では、保育施設が休園したり、店舗が営業を休止したりするなど、市民生活にも大きな影響が出ています。
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実は日本全国で、道路の陥没件数は増えています。国土交通省によりますと、2022年度、道路の陥没は全国で1万548件起きていて、このうち、下水道が原因のものは3年間で4100件以上。専門家は…
芝浦工業大学 稲積真哉 教授
「やっぱり、(下水管の)老朽化というのがあげられると思います。今年よりも来年というような形で、年々、こうした陥没は増えていくのではないか」
関連は分かっていませんが、県によりますと、今回の陥没現場の下水管も使用開始から40年以上が経過しているといいます。
さらに、専門家は全国で陥没が増えている背景として、「気象環境の変化」も指摘します。
芝浦工業大学 稲積真哉 教授
「今の夏は暑いし、冬は寒いし、また非常に雨が多い。(気象環境が)地盤中の水道管・下水道管の劣化自体も早めているとの捉え方もできる」
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今回の陥没事故を受け、橘官房副長官は先ほど、全国の下水道管理者に対し、同じような箇所がないか緊急点検を要請したと明らかにしました。
埼玉県は現在、空洞探査車と呼ばれる特殊な車両を使って、ほかにも陥没につながるような空洞がないか調査しています。