控訴取り下げ、効力争い申し立て＝青葉真司死刑囚の弁護人、大阪高裁に―京アニ

　京都アニメーション第１スタジオが放火され、３６人が死亡、３２人が重軽傷を負った事件で、自ら控訴を取り下げ殺人罪で死刑判決が確定した青葉真司死刑囚（４６）の弁護人が、大阪高裁に取り下げの効力を争う申し入れ書を提出したことが３１日、分かった。高裁が３０日に受理したと明らかにした。

　青葉死刑囚は昨年２月、判決を不服として控訴。しかし、今年１月２７日に被告本人が控訴を取り下げ、一審京都地裁の死刑判決が確定した。

　死刑判決の控訴取り下げの有効性を巡っては、神奈川県藤沢市での５人殺害事件で死刑判決を受け、自ら控訴を取り下げた男性被告について、最高裁が１９９５年、取り下げを無効と判断した例がある。

　確定した判決によると、青葉死刑囚は２０１９年７月１８日、京都市伏見区の京アニ第１スタジオに放火。建物を全焼させ、中にいた社員ら７０人のうち３６人が死亡、３２人に重軽傷を負わせた。