東京・明治神宮で31日、新横綱の推挙式と奉納土俵入りが行われ、第74代横綱に昇進した豊昇龍(25、立浪)が公の場で初となる“雲竜型”の土俵入りを披露した。
純白の綱と化粧まわしを着けた豊昇龍は、太刀持ちに平戸海(24、境川)、露払いを明生(29、立浪)を従えて登場。集まった大勢のファンの前で、低い姿勢からせり上がり堂々とした土俵入りを披露すると、会場では「よいしょー!」の掛け声が響き渡った。
大相撲初場所で2度目の優勝を果たした豊昇龍は、照ノ富士(2021年7月場所後)以来、モンゴル出身力士としては6人目の横綱に。初場所中に照ノ富士が引退を表明したことにより、3月の春場所は93年初場所以来、32年ぶりに“横綱空位”となる可能性があったが、逆転優勝を飾った豊昇龍が歴史をつないだ。
この日は、叔父で元横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジさん(44)も来日して晴れ姿を見届けた。22年前の2003年同日に、当時新横綱に昇進した朝青龍が同じく明治神宮で奉納土俵入りを行っている。
豊昇龍は横綱昇進伝達式(29日)での口上で、大関昇進時と同じ「気魄一閃(きはくいっせん)の精神で精進いたします」と述べ、横綱としての決意を伝えた。
前日(30日)は新しい綱を作る“綱打ち”が行われ、同じ出羽海一門である元横綱武蔵丸の武蔵川親方(53)に土俵入りの指導を受け、「(横綱は)ずっと夢に見てきたこと。もっと頑張らなくてはいけない。(綱は)すごく重かった。自分の責任も重くなるということ」と改めて気持ちを引き締めていた。
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