大阪高裁判決が確定したことを受け、記者会見する井出安優香さんの父努さん=5日午後、大阪市北区 大阪市生野区の路上で2018年、重機にはねられ死亡した聴覚支援学校小学部5年の井出安優香さん=当時(11)=の遺族が、運転手側に損害賠償を求めた訴訟で、将来得られたはずの「逸失利益」を健常者と同等と判断した大阪高裁判決が5日、確定した。4日が上告期限だったが、遺族と運転手側双方が上告しなかった。
井出さんの父努さん(52)は5日午後、大阪市内で記者会見し、「7年前のきょうは娘の告別式。確定したと聞き、偶然じゃないなと思った。全て娘が導いたと確信している」と述べた。支援してきた大阪聴力障害者協会の長宗政男会長は「障害を持っている人やその家族にすごく勇気を与えた結果だ」と強調した。
大阪高裁は1月20日、井出さんは聴覚障害があっても健常者に劣らない能力を発揮できたなどと認定。「全労働者平均賃金から減額する理由はない」として、一審判決から賠償額を増額し、健常者と同等の計約4300万円の支払いを命じた。