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J1リーグ2025シーズンがいよいよ開幕する。昨季はヴィッセル神戸が連覇を飾り、J1初参戦のFC町田ゼルビアが旋風を巻き起こしたが、はたして今季はどうか。どんな戦いが繰り広げられ、頂点に立つのはどのチームなのか。逆に降格争いに加わってしまうのはどのチームなのか。今年も再び、Jリーグに精通する5人の識者にJ1全順位を予想してもらった――。
優勝争いは神戸、広島、町田の「3強」が中心
割って入るなら、戦力補強が際立つ鹿島か
浅田真樹(スポーツライター)
1位 サンフレッチェ広島
2位 ヴィッセル神戸
3位 鹿島アントラーズ
4位 FC町田ゼルビア
5位 ガンバ大阪
6位 浦和レッズ
7位 東京ヴェルディ
8位 川崎フロンターレ
9位 横浜F・マリノス
10位 FC東京
11位 名古屋グランパス
12位 セレッソ大阪
13位 アビスパ福岡
14位 湘南ベルマーレ
15位 柏レイソル
16位 清水エスパルス
17位 京都サンガF.C.
18位 ファジアーノ岡山
19位 アルビレックス新潟
20位 横浜FC
近年のJ1は若手有望株を中心に選手の海外流出が激しく、川崎フロンターレと横浜F・マリノスの2クラブでJ1優勝を分け合っていた頃と比べると、全体的なレベルが低下している。
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順位予想をしようにも、優勝しそうなクラブがない、というのが率直な印象だ。裏を返せば、どこが優勝しても(つまりは降格しても)驚かない、ということでもある。
とはいえ、それでは順位予想にならないので、全20クラブを3クラスに分けてみた。
4位以上がAクラス、5〜12位がBクラス、13位以下がCクラスで、Aクラスが優勝候補、Cクラスが降格候補、というのが大まかな予想のイメージだ。
昨季を振り返ると、ヴィッセル神戸、サンフレッチェ広島、FC町田ゼルビアの戦いぶりは、途中の順位変動こそあれ、比較的安定しており、頭ひとつ抜けていた。3強に割って入るクラブが現われるとすれば、戦力補強が進んだ鹿島アントラーズと見るが、優勝争いは、やはり昨季のトップ3が中心になるだろう。
そのなかでは、町田が最も戦力補強を進めてはいるが、むしろ2年目の反動が強く出て、順位を落とす可能性もありそう。また、神戸の3連覇も、30年を超えるJリーグの歴史がその難しさを物語っており、達成の可能性は低いと予想する。
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結果として消去法的な考え方ではあるが、ミヒャエル・スキッベ監督就任以来、主力の流出がありながらも上位をキープし続けている広島を、優勝候補筆頭とした。
個人的な注目クラブは、順位予想とは矛盾するような話になるが、ともに降格圏に予想したファジアーノ岡山とアルビレックス新潟だ。岡山はクラブ史上初のJ1とあって、ホームタウン全体の盛り上がりを感じる。それによって大きなうねりを生み出すことができれば、伏兵が旋風を起こすことも可能だろう。
新潟は、昨季ルヴァンカップで初タイトル獲得にあと一歩と迫るも、J1ではギリギリの残留。期待と不安が交錯するシーズンを送ることにはなったが、監督交代がポジティブな材料をより強調するきっかけになるのではないかと期待している。
神戸のリーグ3連覇は現実的な目標
気になるのは堅守復活の可能性がある浦和
中山 淳(サッカージャーナリスト)
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1位 ヴィッセル神戸
2位 サンフレッチェ広島
3位 浦和レッズ
4位 FC町田ゼルビア
5位 鹿島アントラーズ
6位 名古屋グランパス
7位 セレッソ大阪
8位 ガンバ大阪
9位 川崎フロンターレ
10位 京都サンガF.C.
11位 FC東京
12位 アビスパ福岡
13位 横浜F・マリノス
14位 柏レイソル
15位 東京ヴェルディ
16位 湘南ベルマーレ
17位 清水エスパルス
18位 横浜FC
19位 アルビレックス新潟
20位 ファジアーノ岡山
川崎フロンターレの黄金時代が幕を閉じて以降、年々順位予想が難しくなっているJ1リーグ。とりわけその背景にあるのは、優秀な日本人選手の海外流出と、数年前に顕著だった大物助っ人外国人選手の減少で、それによって各チームの戦力が平均化。戦力だけに焦点を当てれば、どこが優勝しても不思議ではないリーグになっている。
これをよしとするかは別として、少なくとも今シーズンもその傾向に大きな変化は見られないので、おそらく群雄割拠時代は継続されるだろう。そういう意味で、順位を予想するうえで最大のポイントとしたのは、チームの完成度や継続性の部分だ。
そのなかで最も優位性を保っているのが、3連覇に挑む神戸だ。昨シーズンは、ベテランを軸とするために連覇は厳しいと見ていたが、終わってみればAFCチャンピオンズリーグ(ACL)と並行して戦いながら、リーグと天皇杯のダブルクラウン。今シーズンはMF山口蛍(→V・ファーレン長崎)が移籍したものの、DFラインを補強して戦力は十分に整っているため、大崩れは考えにくい。3連覇は現実的な目標だ。
対抗馬は、昨シーズン2位のサンフレッチェ広島。4年目を迎えるミヒャエル・スキッベ監督のスタイルはチームに浸透しており、MF田中聡(湘南ベルマーレ→)、FWジャーメイン良(ジュビロ磐田→)、MF菅大輝(北海道コンサドーレ札幌→)といった即戦力も加入するなど、選手層的にはACLと並行した戦いのなかでも優勝を狙える陣容になっている。神戸を止めるとしたら、広島が最有力だ。
その2チームを追うのが、昨シーズン3位のFC町田ゼルビア、4位のガンバ大阪、5位の鹿島アントラーズあたりと予想されるが、戦力の充実度で抜けている印象の浦和レッズもそこに加えたい。
そのレッズの指揮を執るのは、昨シーズン後半に復帰したマチェイ・スコルジャ監督で、実質的に3年目。成熟度という点でも期待ができる。さらに、新加入DFダニーロ・ボザ(ジュベントゥージ→)次第では堅守が復活する可能性もあり、そうなれば安定した成績を残す可能性が高いと見る。
G大坂はMFダワン(→北京国安)を失ったことと、ストライカー不足が不安材料。鹿島は鬼木達新監督のサッカーが開花するのは、初年度では難しいと見る。
降格予想は、昇格3チームと、松橋力蔵監督を失ったアルビレックス新潟、残留争いの常連の湘南ベルマーレを加えた5チーム。そのなかで生き残れるのは、清水と湘南と予想するが、清水の守備がJ1に耐えられないとすれば、J1とJ2を行き来する横浜FCのエレベーターが止まるかもしれない。
優勝チームに広島を推さない手はない
対抗はさらなる高みを目指せる町田
原山裕平(サッカーライター)
1位 サンフレッチェ広島
2位 FC町田ゼルビア
3位 ヴィッセル神戸
4位 鹿島アントラーズ
5位 横浜F・マリノス
6位 ガンバ大阪
7位 浦和レッズ
8位 柏レイソル
9位 川崎フロンターレ
10位 清水エスパルス
11位 名古屋グランパス
12位 セレッソ大阪
13位 FC東京
14位 京都サンガF.C.
15位 東京ヴェルディ
16位 湘南ベルマーレ
17位 アビスパ福岡
18位 横浜FC
19位 アルビレックス新潟
20位 ファジアーノ岡山
20位予想の東京ヴェルディ(実際は6位)、10位予想のFC町田ゼルビア(実際は3位)、2位予想の浦和レッズ(実際は13位)を除けば、昨年は意外といい線をいっていたなあと思う。
7位のFC東京、12位のアビスパ福岡、17位の柏レイソル、18位のジュビロ磐田と4つも的中。他にも優勝予想のサンフレッチェ広島(実際は2位)をはじめ、トップ10予想は8チームが10位以内に入り込み、ボトムハーフ予想も8チームが11位以下に。リーグの勢力図に関しては見極められていたと、手前味噌ながら思う次第であります。
今年も例年以上に予想困難ながら、3年連続で広島の優勝を予想。広島サポーターからは「当たらないからやめてくれ」と言われそうだが、補強動向に加え、ヴィッセル神戸に完勝したスーパーカップの戦いを見せつけられてしまっては、推さない手はない。
対抗はこちらも戦力の上積みに成功した町田。FW西村拓真(横浜F・マリノス→)、MF前寛之(福岡→)、DF岡村大八(北海道コンサドーレ札幌→)ら実力者が加わり、さらなる高みを目指せる陣容を手にしている。
3連覇を狙う神戸は、MF山口蛍(→V・ファーレン長崎)はもとより、DF初瀬亮(→シェフィールド・ウェンズデイ)の移籍が響きそう。質の高いキックを誇るサイドバックが不在となれば、昨季は24を記録したセットプレーからの得点が減少するはずで、勝敗にも影響が出てくるだろう。
新監督が就任したチームでは、鹿島アントラーズと柏レイソルに注目したい。鬼木達監督を迎えた鹿島は序盤こそ苦戦しそうだが、戦術浸透が見込まれるシーズンも半ばをすぎたあたりから、驚異の追い上げを見せると予想。
リカルド・ロドリゲス監督が就任した柏はプレシーズンマッチを見る限り、予想以上に早い仕上がりを実現しており、低迷した近年の戦いを払しょくするような躍進もあり得る。
不安なのは川崎フロンターレか。長期政権終焉後の新体制はかなりの難局で、新監督が打ち出すスタイルも大きく変わりそうなだけに、しばらくは苦しむのではないか。
同様に確かなカラーを持っていたアルビレックス新潟も、新スタイルの構築に時間がかかるだろう。
昇格チームでは清水エスパルスに期待したい。戦力的には十分にやれるはずで、J1仕様の強度を身につけられれば、昨季の町田や東京Vのように上位進出もありうる。
堅守の一方で、得点力に不安を抱える横浜FC、J1初挑戦のファジアーノ岡山に関しては厳しいシーズンになるかもしれない。
(つづく)◆J1の順位予想 識者が悩み抜いて選んだ優勝チームと降格候補3クラブは?