NHKは、国際放送のWebサイトやアプリで提供していたAI自動翻訳による多言語字幕サービスを2月10日で終了した。沖縄県の尖閣諸島を扱ったニュースの中国語字幕で、中国側が主張する呼称「釣魚島」を表示するケースが見つかった。
NHKの国際放送は英語による24時間のテレビ放送。Webサイトやアプリなどにもライブストリーミング配信しており、利用者が設定で言語を選択すると、英語の音声に合わせたリアルタイムの字幕が表示される仕組みだった。
多言語字幕の生成には米Googleの翻訳APIを活用していた。しかし、2月10日の放送で「the Senkaku Islands in Okinawa Prefecture」(沖縄県の尖閣諸島)と伝えた音声が中国語の字幕で「沖縄県の釣魚島」と表示されるケースが見つかった。リアルタイム翻訳のため修正はできなかった。
NHKの原聖樹理事は「昨年8月のラジオ国際放送の中国語ニュースの事案を踏まえ、ガバナンスを強化するとともに、今年10月からのネット配信の必須業務化に向けてこのサービスを続けるかどうか検討している中で今回のケースが判明した」と背景を説明。その上で「NHKのサービスとしては適さないと判断した」としている。
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多言語字幕サービスは、英語を母語としない外国人へのサービスの一環として2020年4月に始めた。当初は中国語簡体字/繁体字を含む6言語7種だったが、直近では9言語10種の字幕を提供していた。現在はサービス終了をしらせる「おことわり」を掲出している。
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