「死亡に気付かなかった」＝強盗致死罪で実行役２人起訴―高齢男性死亡・横浜地検

　首都圏で相次いだ闇バイト強盗のうち、昨年１０月に横浜市の住宅で後藤寛治さん＝当時（７５）＝が暴行を受け死亡した事件で、強盗殺人容疑などで逮捕された通信回線営業員藤井柊（２７）、無職久保田陸斗（２２）両容疑者がこれまでの調べに「（後藤さんが）死亡したことに気付かなかった」と供述したことが２６日、捜査関係者への取材で分かった。

　横浜地検は同日、藤井、久保田両容疑者を強盗致死罪などで起訴した。

　捜査関係者によると、塗装工宝田真月被告（２３）＝同罪などで起訴＝を含めた３人が実行役だったとみられる。両容疑者は暴行について「他の２人がやった」と互いに責任をなすりつけているという。

　起訴状などによると、両容疑者は昨年１０月１５日未明、宝田被告と共謀し、横浜市青葉区の後藤さん宅に侵入。金属製の工具などで暴行を加えて死亡させ、現金約１７万円と貴金属などを奪ったとされる。後藤さんは手足や顔を縛られており、死因は全身打撲による失血死だった。

　藤井容疑者ら３人はＸ（旧ツイッター）で闇バイトに応募し、秘匿性の高い通信アプリでそれぞれ指示を受けていた。宝田被告は強奪金から５万円を報酬として受け取ったが、藤井、久保田両容疑者には分配されなかったとみられる。

　両容疑者は、千葉県市川市と船橋市の強盗致傷事件にも関与したとして起訴されている。藤井容疑者は白井市の強盗致傷事件でも起訴された。

　後藤さんの事件を巡ってはほかに、強奪金回収役の男女２人が盗品等運搬罪などで起訴されている。