関西学生陸上競技連盟は4日、昨年7月15日に奈良・橿原公苑陸上競技場で開催した長距離強化記録会女子800メートルでの久保凛(17=東大阪大敬愛高2年)の日本記録(1分59秒93)が世界陸連(WA)では認定されていないことを明らかにした。
世界ランキングや国際大会の参加資格記録の対象とはならない。日本陸連では公認されるため「日本記録保持者」の肩書は変わらないが、WAでは杉森美保が05年にマークした2分0秒45が日本最高記録となる。
WAで認定されなかった背景には、23年開始の事前承認制度がある。WA公認の競技会と位置付けられるには、主催者が開催60日前までに条件を満たした上で申請し、承認される必要があるのだ。
そのため国内の記録会は大半が申請外。例えば日体大長距離競技会では「NCG」と区分されるレースはWAの公認競技会となるが、それ以外は別の大会として位置付けられている。
昨夏の記録会の主催者も「あくまで地域の記録会という認識。日本陸連へは申請するが、世界陸連へは例年もしていない。申請を怠ったわけではない」と強調した。
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この記録会の運営に携わった奈良県陸協の事務局担当者も「承認期限となる2カ月前までの時点で久保選手が出ることは分からなかった。それまでWAへは申請していない大会だったので、今回もしていなかった」と説明。WA公認競技会の基準を満たすには、県外から審判員を招請したり、WAへ申請料金を支払ったりする必要があるといい「全ての大会をWAの公認大会とするのは難しい面もある」と話した。
こうした事情を踏まえた上で、他の担当者は「まさかあれだけの記録が出るとは思わなかった」と驚きながら振り返った。こうした背景がクローズアップされるのは、久保がどの大会でも全力でタイムを狙い、実際に快記録を出したからこそでもある。【藤塚大輔】
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