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日本大学付属板橋病院の建て替え計画や医療機器の納入を巡り、日大に不当な支払いをさせて損害を与えたとして、いずれも背任罪に問われた日大元理事の井ノ口忠男(67)、医療法人「錦秀会」(大阪市)元理事長の籔本雅巳(64)両被告は10日に東京地裁(江口和伸裁判長)で開かれた初公判で、起訴内容を否認し、無罪を主張した。
検察側は冒頭陳述で、日大の契約業務を担う関連会社「日本大学事業部」の取締役だった井ノ口元理事が病院の建て替えに際し、自身の意向に沿う設計業者を選んだと指摘。設計業者を通じて業務実体のない籔本元理事長側の会社に利益を得させ、その一部を還流させる計画を立てたとした。
弁護側は、2人には背任の故意がなく、共謀もしていないと主張。籔本元理事長が受け取った報酬は正当な対価で日大に損害も与えていないと訴えた。
起訴状によると、2人は2020〜21年、病院の建て替え工事設計監理業務や医療機器や電子カルテの納入の取引で、籔本元理事長側の会社を介在させて見積額を不当に上乗せするなどして、日大に計約4億1800万円の損害を与えたとされる。
事件を巡っては、籔本元理事長ら日大と取引がある業者からリベート(謝礼)を受け取っていながら申告しなかったとして、日大の田中英寿元理事長(24年1月に死去)が所得税法違反(過少申告)に問われ、22年4月に有罪判決が確定している。【安元久美子】
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