大阪地検特捜部が手掛けた業務上横領事件を巡り、無罪となった不動産会社元社長の山岸忍氏(62)が、一連の捜査で苦痛を受けたとして、国に7億円超の賠償を求めた訴訟の中間判決で、大阪地裁(小田真治裁判長)は21日、国に賠償責任はないと判断した。
この事件では、山岸氏の元部下への取り調べで検事が「検察なめんなよ」と威圧的な言動を繰り返し、証言を迫っていたことが明らかになっている。
山岸氏は「プレサンスコーポレーション」(大阪市)元社長。学校法人元理事長の女性(67)=有罪確定=らと共謀し、法人の土地を売却した際の手付金21億円を着服したとして、2019年に逮捕・起訴された。
山岸氏は一貫して関与を否定。検察側は元部下の証言を有力な証拠としたが、21年の大阪地裁判決はその信用性が認められないとし、山岸氏に無罪を言い渡した。検察側が控訴せずに確定した。
今回の訴訟で山岸氏側は「特捜部による事件の見立てが誤っていた」とし、関与を示す客観証拠はなかったと主張。元部下への威圧的な取り調べで証言をねじ曲げており、逮捕・起訴は違法だったと訴えた。
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これに対し、国側は「証拠評価に重大な過誤はなく、容疑が十分認められるという判断は合理的だ」と違法性を否定。取り調べについても「説得や正当な追及だった」と反論していた。
最高裁判例によると、無罪が確定したからといって、ただちに捜査が違法だとは言えないことから、地裁の判断が注目されていた。【木島諒子、高良駿輔】
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