採用「増やす」3割超=意欲衰えず、学生「売り手」継続―主要100社調査・時事通信

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2025年03月28日 21:02  時事通信社

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2026年春卒業予定の学生を対象とした就職活動が解禁され、合同企業説明会に参加する学生ら=1日、千葉市美浜区の幕張メッセ
 時事通信が国内の主要100社を対象に行った2026年春の新卒採用計画の調査結果が28日、まとまった。25年春卒と比べて採用人数を「増やす」と回答した企業は32社で、4年連続で3割を超えた。前年調査より1社少ないものの、企業の採用意欲は依然強く、学生の「売り手市場」が続いている。

 「増やす」と答えたうち、日本航空は「客室乗務職の採用増」を理由に今春採用予定の636人から26年春は720人程度とする予定だ。ヤマト運輸は「社員の年齢構成の維持を見据えた採用計画などのため」、約9割増の515人を見込む。

 外食大手のゼンショーホールディングスは「グローバル展開などでの必要人員を確保する」とし、小売り大手のセブン&アイ・ホールディングスも事業計画に合わせ、それぞれグループで約3割増やす方針だ。

 一方、「減らす」と答えたのは11社で、前年の12社から微減。「業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に伴う効率化・生産性の向上」(三菱電機)、「新卒一括採用から通年採用にシフト」(イオン)、「経営状況を鑑みて」(日産自動車)といった回答があった。34社は「変わらない」、23社は無回答や「検討中」などとした。

 中長期的な採用環境は、54社が「厳しくなる」と予想。前年から1社減ったものの、2年連続で半数を超えた。「就職・採用活動が早期化し、これまで以上に難航が予想される」(JR東日本)、「IT人材の獲得競争が激化」(京セラ)など、強い危機感がうかがえる。

 中途採用に力を入れる企業もある。25年度中の採用を前年度より「増やす」企業は33社。NTT西日本はグループで230人(24年度見込みは90人)、大日本印刷は140人(同60人)、SMBC日興証券は専門性の高い人材の確保を目指し130人(同67人)と、いずれも大幅増を計画する。

 調査は2月中旬以降に記名式のアンケートを送付し、3月中旬までに回答を得た。 
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