



妹のアリサは実家のそばで現在ひとり暮らし。なにごとも穏便にやりすごそうとする私に対し、アリサはキッパリした性格です。子どもの頃から祖父に反抗しては、激しくぶつかっていて……。その仲の悪さは親族にも知れ渡っていました。



あんなにヒドい扱いを受けていたのだから、アリサは法要など出たくないかもしれません。実際に四十九日のときは「仕事の都合がつかないから」と来ませんでした。たとえグループに名前がなくても、気にする親族などいないでしょう。


法要を取りしきる叔父さんは「来られる人だけ来てもらえばいい」というスタンスです。遠方に住んでいる親族は無理しなくていいし、仕事があるならそちらを優先で構わないくらいの感じです。他の親族も同様で、アリサがいなくてもまったく気にしないでしょう。
たとえグループに入れなくても、叔父さんはアリサへ個別にメッセージも送れるし、直接電話して聞くこともできます。参加の可否はいくらでもわかるはず……。なのに「アリサがグループに入っていない」ということだけで、母の怒りのスイッチが入ってしまったのでした。
【第2話】へ続く。
|
|