大阪地裁=大阪市北区 大阪出入国在留管理局に収容中、後ろ手に手錠を掛けられ長時間拘束されるなど違法な処遇を受けたとして、日系ペルー人男性(その後病死)が国に216万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が16日、大阪地裁であった。堀部亮一裁判長は一部の行為を違法と認定し、慰謝料など11万円の支払いを命じた。
判決によると、男性は2017年12月、昼食への不満を述べ、大声を出したり物を投げつけたりしたため、後ろ手に手錠を掛けられ14時間以上にわたり保護室に収容された。
堀部裁判長は手錠使用について、当初は「合理的だった」とする一方、男性が眠るなどしていた後半の約6時間については「過剰な戒具使用で、規則に違反していた」と認定した。男性側は職員の暴行で腕を骨折したとも主張したが、退けられた。
原告側代理人の川崎真陽弁護士は判決後の記者会見で、「一定の評価はできるが、入管の人権侵害行為について基準を明確にせず、広い裁量を認めたことは残念だ」と話した。
大阪出入国在留管理局の話 判決の内容を精査し、上級庁や関係機関と対応を協議する。