三種の仏教聖典叢書(そうしょ)が「世界の記憶」に登録され、記者会見する増上寺の小林正道執事長(左)と浄土宗の川中光教宗務総長=18日午前、東京都港区 世界的に重要な資料の保存などを目的とする「世界の記憶」に、所蔵する仏教聖典叢書(そうしょ)が登録された増上寺(東京都港区)の小林正道執事長らは18日、都内で記者会見し、「本当にうれしく思う」などと語った。
小林執事長は、叢書が幕末の混乱や関東大震災、東京大空襲などを乗り越えて伝承、保管されたことに触れ、「まさに平和と安隠の象徴だ」と強調。「未来の世代に、仏教の教えを分かりやすく発信するにはどうしたらいいか真剣に考えていきたい」と意気込んだ。
共に会見した浄土宗の川中光教宗務総長は「東洋の思想や印刷文化、仏教の教えが全世界に広がっていくことを願う」などと話した。
叢書は19日から、増上寺で行われる「徳川家康と増上寺三大蔵展」で展示される。9月8日まで。
一方、「広島原爆の視覚的資料―1945年の写真と映像」は登録が見送られ、共同申請した中国新聞社などは「大変残念。引き続き登録を目指していく」などとするコメントを出した。