金融庁=東京都千代田区 証券会社のオンライン取引に利用される口座が何者かに乗っ取られ、株を勝手に売買される被害が相次いでいる問題で、金融庁は18日、2月1日から4月16日までの間に楽天証券や野村証券など6社で合計1454件の不正取引があったと発表した。勝手に売却された株式などの金額は計約506億円で、買い付けされた金額は約448億円に上る。
犯罪グループは証券会社の顧客を本物そっくりの偽サイトに誘導し、IDやパスワードを盗み取る「フィッシング」などの手口で得た情報を悪用しているもよう。口座を勝手に操作し、株式などを売却して得た代金で中国株を買い付ける例が多い。低価格の株を買って相場をつり上げ、自分たちが持つ同じ株を高値で売り抜ける相場操縦が行われているとみられる。金融庁によると、被害口座からの不正出金は確認されていないという。
金融庁は利用者に対し、証券会社が提供している多要素認証などのセキュリティー機能を活用するなど、対策の強化を呼びかけている。