三菱UFJ銀行の支店の貸金庫から顧客の金品を繰り返し盗んだとして、窃盗罪に問われた元行員の山崎由香理被告(46)=東京都練馬区=の初公判が18日に東京地裁であり、検察側は被告の元夫の供述調書を読み上げた。元夫は「被告は、2014年ごろからネット競馬や外国為替証拠金取引(FX)にはまっていた」と説明していた。
窃盗事件につながる経緯として元夫は「600万円の損失が出て、その後も消費者金融やクレジットカードの借り入れで、借金が1200万円に上り、民事再生手続きをした」とも供述。事件発覚後は山崎被告から「貸金庫の金を使ってしまった」と打ち明けられたという。被告とは事件後に離婚した。
また、検察側は冒頭陳述で事件の動機は「FXでの損失を補塡(ほてん)するため」とし、「貸金庫の管理責任者の立場を悪用し、窃盗を繰り返した」と指摘した。
山崎被告は小野裕信裁判官から起訴内容を認めるかどうか問われ、「全部認めさせていただきます」と述べた。
山崎被告は24年3〜10月、支店長代理や営業課長だった練馬支店(練馬区)と玉川支店(世田谷区)で、顧客から預かった金塊計22キロ(約2億8200万円相当)と現金1650万円を盗んだとして起訴された。
|
|
18日の初公判では、このうち、練馬支店に勤務していた24年3〜9月に金塊計22キロを盗んだとされる起訴内容について、審理された。
警視庁は25年1月以降、山崎被告を3回逮捕。顧客60人以上の貸金庫から、時価総額で7億円以上の金塊や10億円以上の現金を盗んだとみて捜査を進めた。
警視庁は起訴された被害とは別に、金塊4キロ(約4500万円相当)と現金4490万円を盗んだとする容疑でも追送検し、捜査は終結した。【安達恒太郎】
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 THE MAINICHI NEWSPAPERS. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。