7月に洋上慰霊実施=知床観光船、沈没現場近くで献花―ボランティア、寄付で実現・北海道

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2025年04月23日 07:31  時事通信社

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洋上慰霊実現のため、ユーチューブ上で寄付を呼び掛ける桜井憲二さん(ユーチューブより)
 知床観光船事故の発生当初から、ボランティアで行方不明者の捜索に当たってきた北海道羅臼町の漁師、桜井憲二さん(61)らが、沈没現場付近で献花などを行う洋上慰霊を計画している。7月開催に向けた準備は最終段階で、桜井さんは「あとは当日の良い天候を祈るだけ」と話す。

 きっかけは昨年8月、お盆の慰霊で斜里町・知床岬を仲間と訪れた際、事故に巻き込まれた千葉県松戸市の男性=当時(34)=のデジタルカメラを見つけたことだ。後に復元された写真は約700枚。うち約80枚は事故当日に撮影されたもので、所有者の男性以外の乗客の姿も納まっていた。

 事故後、一般客に交じって観光船で現場を巡り、涙をこらえる遺族。船舶事故が多く、知床のあちこちに建立された観音像―。カメラを見つけた帰り道、さまざまなことが脳裏に浮かんだという。事故から2年以上たっての発見に「亡くなった方々のメッセージ」を感じた桜井さんの考えはすぐに固まった。「洋上慰霊、やらなきゃ」

 一番の課題だった資金は寄付で集めた。一緒に遺品などの捜索に当たってきた仲間と昨年10月、ユーチューブに協力を呼び掛ける動画を投稿。全国から目標の1000万円を上回る約1300万円が寄せられた。港の使用許可など、実施に必要な手続きのため訪れた行政の窓口では、職員が「とにかく協力したい」と言ってくれたという。

 7月12日か13日が候補で、天候や海の状況で決める。当日は当時の乗客乗員26人のうち、13人の家族計43人や宗教関係者らが参加。観光船2隻を借り、沈没地点とされる「カシュニの滝」付近で献花するほか、遺品が多く発見された知床岬の北端に上陸して冥福を祈る。桜井さんは「悔いを残さないよう慰霊してほしい」と話している。 

2024年8月に北海道・知床半島先端部付近で見つかった乗客のデジタルカメラ(桜井憲二さん提供)
2024年8月に北海道・知床半島先端部付近で見つかった乗客のデジタルカメラ(桜井憲二さん提供)

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