握手を交わすトランプ米大統領(右)とイーロン・マスク氏=3月22日、米ペンシルベニア州フィラデルフィア(AFP時事) 【ワシントン、ニューヨーク時事】トランプ米大統領の側近である実業家イーロン・マスク氏は22日、最高経営責任者(CEO)を務める電気自動車(EV)大手テスラの決算説明会で、連邦政府の無駄を省く新組織「政府効率化省(DOGE)」で活動する時間を「5月から大幅に減らす」と明言した。マスク氏への反発から販売急減に見舞われているテスラの立て直しに軸足を移す。
トランプ政権は政府部門の縮小を推進し、財政赤字の圧縮を目指している。マスク氏のDOGEは、政府職員の大量解雇や補助金凍結、政府機関の一部解体などの「旗振り役」となっていた。
マスク氏はまた、欧州の極右政党を支持するなど、各国の政治に介入。米国のみならず、欧州でもマスク氏への抗議活動が拡大し、テスラ車や充電施設などを標的にした放火も相次いだ。テスラはブランドイメージ悪化から販売が急減しており、このまま状況が改善しなければ投資家にも見放され、経営が厳しくなる恐れがあった。
マスク氏は「トランプ氏が望む限り、政府関連の活動には今後も週1、2日を使う」と述べた上で、「テスラにはより多くの時間を割く」と表明した。