2024年9月に交通事故で男性を死亡させたとして、自動車運転処罰法違反(過失運転致死)の罪に問われた米海軍横須賀基地所属の米兵、ヤノス・ジェイデン・エドウィン被告(22)の初公判が7日、横浜地裁横須賀支部(片多康裁判官)であった。被告は起訴内容を認め、検察側は禁錮1年6月を求刑。弁護側は執行猶予付きの判決を求め、即日結審した。【福沢光一】
起訴状などによると、ヤノス被告は24年9月18日午後6時40分ごろ、神奈川県横須賀市小川町で乗用車を運転中、右折禁止の交差点を右折し、直進してきた伊藤翼さん(当時22歳)のオートバイと衝突して死亡させたとされる。
被告は公判で「申し訳ない。意図せず起こしてしまった」と謝罪し、弁護側は過失の事故だったと強調した。一方、検察側は「被告の過失は大きく結果は重大。事故後も運転を再開しており、再犯性も高い」と指摘した。
公判では、伊藤さんの両親が被害者参加制度に基づいて意見陳述した。父親(64)は「優しい心を持った息子でした。被告には翼を返せ、返してくれという思いです」。母親(56)は「米軍関係者による事故は逮捕・拘留されることもなく、帰国させて済んでしまうと思われないようにお願いします。息子の死を無駄にしないでください。厳罰を」と訴えた。
横須賀市内では米兵による交通死傷事故が24年9月以降、3件相次いでいる。今年2月には米兵の車が横断歩道を渡っていた男性(87)をはねる重傷事故が発生。しかし米軍側は市に即座に事故を知らせず、防衛省南関東防衛局を通じて連絡があったのは発生から3週間後だった。
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4月27日にも米兵が運転する車が、同市の男性(47)が運転するオートバイと衝突し、男性は死亡した。
同市の上地克明市長は、横須賀基地の司令官のレス・ソボル大佐に再発防止を直接申し入れた。上地市長は「(米軍から交通教育を)徹底してやっていると何回も聞いているが、(もう)分かりましたでは済まされない」と話しており、米兵による交通事故は地元で問題視されている。
ヤノス被告の判決は27日に言い渡される。
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