ドコモの銀行業はどんなサービスに? なぜSBIはソフトバンクではなくドコモと手を組んだのか 北尾氏が回答

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2025年05月29日 22:11  ITmedia Mobile

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5月29日の記者会見の登壇者。左からNTTドコモの前田義晃社長、NTT(日本電信電話)の島田明社長、SBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長、住信SBIネット銀行の円山法昭社長

 NTTドコモは5月29日、住信SBIネット銀行をドコモグループに迎え入れると発表した。子会社化を前提に住信SBIネット銀行の株をTOB(株式公開買い付け)で取得する。TOBの期間は5月30日から7月10日までだ。


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 その後、株式を強制的に買い取ることで、少数株主を強制的に“排除”するスクイーズアウトという手続きを経て、住信SBIネット銀行の株主はNTTドコモと三井住友信託銀行だけになる予定だ。


 あわせて、ドコモは住信SBIネット銀行、三井住友信託銀行、SBIホールディングスの4社で基本契約を締結し、三井住友信託銀行と住信SBIネット銀行と業務提携契約を締結する。


 同日、NTTドコモの前田義晃社長、NTT(日本電信電話)の島田明社長、SBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長、住信SBIネット銀行の円山法昭社長が記者会見に姿を見せた。


●今回の資本業務提携の目的と意義は?


 今回の資本業務提携の目的と意義は何だろうか。NTTの島田氏は、「特に個人の顧客向けビジネス、社会や産業のDX(デジタルトランスフォーメーション)、データの利活用、そして顧客体験(CX)を重視したサービスの強化は、今回のSBIホールディングスとの提携と住信SBIネット銀行のドコモグループ参加によって、さらに一段と加速できると期待している」と自信を見せた。


 今回提携するSBIホールディングスについて、島田氏は「金融分野を中心にさまざまな事業で豊富な実績と知識を持つ企業グループだ」と評価した上で、「このグループとの資本業務提携を通じて、デジタル技術と金融サービスを融合させ、金融分野を中心にさまざまな分野で革新的なサービスを市場に提供していきたい」とした。


 ドコモの前田氏は「銀行業への参入にあたって、自社で銀行を設立することも含め、あらゆる選択肢を慎重に検討した。その結果、ドコモが提供する金融サービスとの連携に必要な機能を持つ住信SBIネット銀行こそが最良のパートナーだと判断した」と、これまでの経緯を説明。その上で、「住信SBIネット銀行は、経営基盤が安定していて収益性も高いだけでなく、高度なAIやデジタル技術などの先進性も備えた銀行だ」と評価した。


●ドコモの銀行業はどのようなサービスになる?


 ドコモとしては、「利便性がありお得な金融サービスを、スマートフォン1つで利用してもらいたい」考えで、具体的には「貯金・決済・投資・保険・融資・ポイント」といった複数のサービスを利用できるようにする。自前で銀行を保有していないドコモにとって悲願だった銀行業への参入。今回、その将来像が少し見えた形だ。


●なぜSBIはドコモを選んだの? 北尾氏の回答


 また、SBIホールディングスの北尾氏は「ソフトバンクグループの孫正義代表取締役会長兼社長執行役員と親しい関係にある」ことで知られているが、なぜ手を組む相手にドコモを選んだのだろうか? この点について記者から問われると、北尾氏は次のように答えた。


 「この決定をするにあたって、孫さんがどう考えるかということを考えた。私と孫さんの仲は現在会社として付き合いがあるわけではないが、彼が考えていることや考えそうなことは全て分かる。恐らく彼は『ああ、それはよかったね』と言うんじゃないかと思う。彼からすれば関心はここ(この金融事業)にはない。もちろん、ソフトバンクの宮川さん(宮川潤一社長)のところは違う意識を持つかもしれないが、おそらく孫さんがそうであれば、宮川さんもそれについてどうこう言うことはないだろう」



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