
福岡市中央区今泉の国道202号線(国体道路)で6月10日午前、道路の一部が陥没しているのが見つかった。穴はおよそ縦4m、横2m(17時現在)。歩道から道路にかけて広がっている。警察は西通り交差点から警固交差点までを封鎖。穴にはブルーシートがかぶせられた。現場は福岡市の中心部で普段は人や車の通行量が非常に多い場所だ。けが人などは確認されていない。近くにいた人によると「歩道側が陥没し、道路側へと広がっていった」という。現場周辺では大渋滞が発生し、通行人からは「これ以上、穴が広がらないか心配」との声が聞かれた。
陥没の報告を受けた高島宗一郎市長は、すぐに現場へ駆けつけヒアリング。同日13時にアップされた市長のフェイスブック投稿によると「陥没の原因は、敷設中の新しい雨水管の隙間から土砂が流出した可能性が高い」とし、「地下の安全を確認するため、地下空洞調査車を手配し、特に反対車線の地下構造の安全性を早急に確認すること」などを指示したという。つづけて「2016年に発生した博多駅前の陥没事故での教訓と経験を活かし、今回も迅速かつ確実に安全確保と交通再開に向けて全力で対応してまいります」とした。
15時すぎからは流動化処理土を積んだミキサー車が到着。復旧作業が始まった。高島市長は16時半すぎ、再び現地を訪れ、工事関係者から直接状況などを聞いた。その後の報道陣の囲み取材では、「現時点ではこれ以上、空洞が広がることはない見込み」、「流動化処理土を流し入れて空洞を埋め、固まった後にすべての車線のアスファルトを剥ぎ、他に空洞などがないかしっかりと確認しながら、土砂を入れ道路敷設工事に入る」とし、地盤補強、再舗装を行うとした。
2016年の博多駅前の道路陥没事故にも触れ、「こうした陥没が起きたときはとにかく初動を早くしないと、陥没が広がってしまうリスクがあることを学んだ」といい、「国体道路は市民にとって大動脈。明日(11日)の通勤時間までには復旧させることを目標に、今工事を進めていただいています」と話した。
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(まいどなニュース特約・西松 宏)
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