トカラ列島“地震”相次ぐ 6日間で470回超「終わり見えない」住民の不安続く、南海トラフと関係は?【Nスタ解説】

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2025年06月27日 14:17  TBS NEWS DIG

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TBS NEWS DIG

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6日間で470回を超える地震が起きている鹿児島県のトカラ列島近海。住民の方々は不安な日々を過ごしています。いま起きていること、わかっていること・わからないこと、整理してお伝えします。

【写真で見る】「南海トラフ地震を誘発するのか?」専門家の答えは…

「南海トラフ地震を誘発するのか?」トカラ列島で相次ぐ地震 

山形純菜キャスター:
「鹿児島県のトカラ列島で相次いでいる地震」について、見ていきます。

トカラ列島の場所は、鹿児島の南にあります。地図にはないのですが、屋久島と奄美大島のちょうど間に位置しているんです。7つの有人島、5つの無人島、計12の島からなっています。

このトカラ列島の近海で、地震が頻発していおり、震源域は、悪石島と小宝島の間の海底だということです。

6月21日から震度1以上の地震が、476回起きています(26日午後3時時点)。最大震度が4。そして、震度1が多いということです。

では、なぜこの地域で地震が多発しているのか。

この地域の地形地質に詳しい熊本大学大学院の横瀬久芳准教授によりますと「トカラ列島は特殊な地質環境。海底の高まり『奄美海台』という地形がユーラシアプレートにぶつかり続けているので、地震が起きやすい地域」だということです。

2021年、2023年にも、同じように地震が多く起きています。

そして2025年の今回も、地震が相次いでいるということで、SNSでは「トカラ列島の地震ってホントに南海トラフと関係ないんだよね?めっちゃプレート沿いなんだけど…」といった声もあります。

「南海トラフ地震を誘発するのか?」を熊本大学大学院の横瀬久芳准教授に聞きましたところ、「トカラ列島で起きている規模の地震が、巨大地震を誘発することはほぼ不可能」ということで、関係はないと話していました。

また、気象庁の野村竜一長官は「現在の科学的知見では、日時・場所・大きさを特定した地震予知は不可能。一方で、日本はいつどこでも地震が起こる可能性がある。日ごろから地震の備えを」と話しています(6月13日)。

星さん「地震のときはデマ情報が溢れる」

井上貴博キャスター:
お伝えしている我々も、すごく問われているところがあります。この1週間で476回の地震は「多い」と感じるのかわからないですが、これは時間軸をどこに取るのかの問題であって、(1か月後に)この1か月間で見ると「あれ?さほど多くなかったね」となる可能性もあるわけです。

ネット上には、7月5日になんちゃらとか、法則がなんちゃらとか、様々ありますけど、それは一切、科学的根拠はありません。デマと人間の不安になる気持ちはすごく相性がいいので、一気に広がっていくと日々感じます。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
熊本地震のときもそうですけど、地震のときはデマ情報が溢れるんです。(デマ情報を)打ち消すためにも、気象庁や自治体はきちんとした情報を定期的に発信することが必要だと思います。

出水麻衣キャスター:
(地震が増えている)こういったタイミングで、気象庁の野々村長官がおっしゃっている「日頃から地震の備え」ですね。不安に負けずに備えて、家族みんなで避難経路を確認したりですね。

井上キャスター:
勉強になると思ったのが、トカラ列島は海沿いなので、観測機器も圧倒的に少ないです。そうすると、分析するデータ自体が少ない。

だから、専門家の中でも少し見方が変わるところもあって、プレート運動が関係しているという人もいれば、火山でできた島が多いので、その火山活動にリンクしてるのではないかという人もいる。

まだわからないことも一定数あるということですね。

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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身 政治記者歴30年

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