


私から電話がかかってきたことにヨシミさんは驚いていました。ただ2人だけで話をしたいと言うと、ヨシミさんは了承してくれました。ゆっくり話せる場所ということでお店の住所を教えてくれます。そこは小さなスナックでした。



出会った経緯を聞かされて脱力しつつ、席についた私はさっそく本題に入りました。タカアキとはなんとしてでも別れてもらわなくてはいけません。ヨシミさんのまっすぐな気持ちはまぶしくもあり、腹立たしくも感じました。


タカアキは勝手に婚姻届を出してしまいそうな勢いです。焦った私は、開きっぱなしだったタカアキのスマホを手に取りました。そこにはヨシミさんの連絡先が入っていて……。ヨシミさんに直接電話をかけると、彼女は私との話し合いを了承してくれました。
ヨシミさんは、純粋な気持ちでタカアキを思っているようです。その気持ちはわかりましたが、結婚となると話は別です。自分でもわがままだとわかっているなら、人として正しくふるまうべきではないでしょうか? 結婚の話はヨシミさんの方からなかったことにしてほしいと伝え、私は店を後にしたのでした。
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