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7日午後0時半ごろ、航空自衛隊のF2戦闘機1機が訓練飛行中、茨城県沖の太平洋に墜落した。搭乗していたパイロット1人は緊急脱出し、海上で救難ヘリコプターに救助された。命に別条はないという。
空自は、フライトデータレコーダー(飛行記録装置)を含む機体を回収し、墜落原因を調べる。
空自や関係者によると、墜落した機体は百里基地(茨城県小美玉市)所属。7日午前11時44分に離陸し、訓練空域を飛行中、同基地の北東約150キロの海上に墜落した。訓練には僚機のF2のほか、救難ヘリと救難捜索機U125Aの計6機が参加していた。
事故機を操縦していた1等空尉の30代男性は、約1000時間の飛行経験を持ち、F2での飛行は約650時間だった。事故当時、管制官に異常を伝え、自ら緊急脱出した。墜落時の状況から、離陸後、機体にトラブルが発生した可能性があるという。
F2は、米軍のF16戦闘機を基に日米で共同開発され、空自は2000年から配備を進めている。91機を保有(25年3月末現在)し、領空侵犯の恐れがある航空機に対する緊急発進(スクランブル)など、警戒監視を主な任務としている。
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今回の事故を受けて空自は、F2の訓練飛行を当面中止すると発表。領空侵犯措置など任務に伴う飛行は継続するとしている。
空自トップの森田雄博・航空幕僚長は7日、臨時の記者会見で「国民の皆さまにご心配をおかけし、心からおわびします」と陳謝し、原因については「予断を持って回答することは困難」と述べるにとどめた。
一方、百里基地がある小美玉市の島田幸三市長は「市民に多大な不安を与える事態となり大変遺憾だ。市民の安全を最優先に確保するため、防衛省に対し、迅速かつ徹底した原因究明と再発防止策を強く求める」とのコメントを発表した。
空自では今年5月にも墜落事故が発生。空自新田原基地(宮崎県)所属のT4練習機1機が離陸直後、愛知県犬山市の入鹿(いるか)池に墜落し、搭乗していたパイロット2人が死亡した。F2については19年2月、空自築城(ついき)基地(福岡県)所属の機体が訓練飛行中、山口県沖の日本海に墜落した事故があり、パイロットの不適切な操作で操縦不能になったのが原因とされる。【松浦吉剛、鈴木美穂】
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