坂口志文氏らにノーベル賞=免疫抑制「制御性T細胞」発見―日本人2年連続・生理学・医学賞

5

2025年10月06日 19:02  時事通信社

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

時事通信社

ノーベル生理学・医学賞の受賞が決まり、記者会見する大阪大の坂口志文栄誉教授=6日午後、大阪府吹田市
 スウェーデンのカロリンスカ研究所は6日、2025年のノーベル生理学・医学賞を、過剰な免疫を抑制する「制御性T細胞」を発見した坂口志文・大阪大栄誉教授(74)ら日米3氏に贈ると発表した。

 日本人のノーベル賞は昨年、平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)に続いて2年連続。個人では米国籍取得者を含め29人目。生理学・医学賞は18年に京都大の本庶佑特別教授(83)が受賞して以来、7年ぶり6人目となる。

 受賞が決まったのは坂口氏のほか、米システム生物学研究所のメアリー・ブランコウ博士、米バイオ企業「ソノマ・バイオセラピューティクス」のフレデリック・ラムズデル博士(64)。

 人間には、体内に侵入したウイルスや細菌などの病原体から身を守る免疫の仕組みが備わっている。T細胞などの免疫細胞は、病原体や突然変異で発生したがん細胞を攻撃するが、過剰に働くと正常な細胞や組織まで異物と見なして攻撃する「自己免疫疾患」を引き起こす。

 坂口氏は、免疫反応にブレーキをかける細胞があると確信し、この細胞を使えば自己免疫疾患を抑えられると考えた。実験結果を1985年に発表したが、当時は理解されず、不遇の時代が続いた。95年に制御性T細胞の目印となる分子を見つけ、2001年にはブランコウ博士らがマウスの細胞で重要な遺伝子を発見。その後、ヒトでも見つかり、免疫学の大きな研究テーマへと発展した。

 制御性T細胞を操作し、免疫疾患などの治療に応用する研究も進められている。免疫の抑制を解除してがん細胞への攻撃力を高めたり、移植手術で拒絶反応を少なくしたりする治療法が模索されている。

 授賞式は12月10日にストックホルムで行われ、賞金1100万スウェーデンクローナ(約1億7600万円)は3等分で贈られる。 

「制御性T細胞」を発見した坂口志文氏ら3氏へのノーベル生理学・医学賞授賞について記者会見で発表するノーベル委員会関係者=6日、ストックホルム(AFP時事)
「制御性T細胞」を発見した坂口志文氏ら3氏へのノーベル生理学・医学賞授賞について記者会見で発表するノーベル委員会関係者=6日、ストックホルム(AFP時事)

このニュースに関するつぶやき

  • 日本は研究に金出さないのにノーベル賞取るなんて凄いよね�Ԥ��Ԥ��ʿ�������
    • イイネ!0
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(3件)

前日のランキングへ

ニュース設定