米政府閉鎖、長期化か=職員解雇、給与遅延懸念も―与野党は責任押し付け合い

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2025年10月11日 21:01  時事通信社

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米国立樹木園の閉鎖を知らせる張り紙=1日、ワシントン(AFP時事)
 【ワシントン、ニューヨーク時事】米政府機関の一部閉鎖が長期化する可能性が高まっている。与野党の対立激化で政府再開に必要なつなぎ予算成立のめどが立たない一方、責任の押し付け合いが続く。トランプ政権は10日、自宅待機となっている職員の大量解雇を開始。今後、軍人や職員の給与支払い遅延が本格化すれば、経済や社会の動揺を招きかねない。

 「(給料日の)15日が来るのに、支払いがなければ、病弱な2人の子供に必要な薬を買えない」。南部バージニア州に住む軍人の妻サマンサさんは、9日の米テレビ番組に出演したジョンソン下院議長(与党共和党)に電話で窮状を訴え、「お願いだから予算案を通して」と求めた。ジョンソン氏はこれに対し「野党民主党が支払いを妨げている」と、遅延を民主党のせいにした。

 共和党主導のつなぎ予算案は下院を通過したものの、上院では7度否決されている。予算案の上院通過には民主党の協力が必要だが、医療関連予算を巡る与野党の溝は埋まりそうにない。

 民主党はつなぎ予算案に、医療保険制度(オバマケア)への補助延長などを盛り込むよう要求。一方で共和党は、政府再開後に医療問題の協議を始める方針を譲らない。民主党上院トップのシューマー院内総務はトランプ政権の職員解雇着手を受け、「職が失われ、家族が傷つくのは、共和党の決定によるものだ」と批判した。

 政府閉鎖は、空の便にも影を落としている。米メディアによると、管制官不足のため6日以降、2万3000便超が遅延した。航空大手デルタ航空のバスティアン最高経営責任者(CEO)は9日、CNBCテレビに出演し、「閉鎖がさらに10日ほど長引けば、何らかの影響が生じるだろう」と警戒感をあらわにした。

 英調査機関オックスフォード・エコノミクスは、政府閉鎖が長期化した場合、当局による検査体制縮小を受け、輸入される医薬品や農産物などの流通に影響が出るとの見方を示す。

 金融市場では、当初は「短期間で終わる」(米金融大手)との見方が大勢だったが、楽観論は消えつつある。賭けサイト「ポリマーケット」によると、政府閉鎖が2週間以上に及ぶとの予想は、10日時点で9割に達している。 

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  • 極右等は分断を煽るが その行く末は民主党政権時に体験済み 政局変化については アメリカは日本より15年遅れてる状態 二大政党制はもはやどの国でも古すぎる
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