
4000人あまりが生活していた8棟の高層住宅。火事が発生すると、8棟のうち7棟にあっという間に燃え広がりました。なぜ被害は拡大したのでしょうか。
香港マンション火災 建物の窪みで「上昇気流」が発生か「足場が火事になった」
香港火災の出火直後とみられる映像を見ると、地表近くであがった炎は…
「8階まで(炎が)上がったぞ。そこの人逃げろ、崩れてきた」
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あっという間に上の階に燃え広がりました。
さらに、炎は隣の建物にも。
燃えるマンションをぼう然と見つめる人の姿や、悲しみにくれる人々...
懸命の消火活動が続きますが、発生翌日(27日)も火は収まらず。
3日目となった28日も黒煙が上がり続けていました。
8棟のうち7棟が焼けた今回の火事。被害はなぜ広がったのでしょうか。
専門家が指摘したのは、マンションの構造です。
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危機管理防災アドバイザー 田中章さん
「(建物を)上から見ると十字のようになっていて、ひとつひとつの建物に窪みがある。そこに風が集まりやすい。火災が発生すると、そこから一気に上昇気流が発生する」
建物に囲まれた部分の空気が、炎で温められて軽くなることで、「上昇気流」が発生。
炎が瞬く間に建物を駆けのぼります。
火の勢いをさらに加速させたのは、“修繕工事”ではないかと専門家は指摘します。
危機管理防災アドバイザー 田中章さん
「(足場の)竹・保護シート・発泡スチロールも使われていたということなので、燃えやすいものが外壁に付いていて、一気に炎が噴きあがる形で、建物全体に火が回ったのだと思う」
竹で作られた足場など、燃えやすい物に囲まれていたため、隣のマンションにも燃え広がったとみています。
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建物内部で燃え広がったのも、工事が影響した可能性があります。
火災後の部屋の写真を見ると、燃え尽きていますが...
原因のひとつとなったのが、窓ガラス保護のために取り付けられた白い発泡スチロール。
火事の前の映像を見ると、窓がふさがれた状態であることがわかります。
香港当局の会見(28日)
「窓をふさぐ発泡スチロールが次々と燃え広がったため、窓ガラスが熱で爆発し、火の手が強くなり、室内に一気に燃え移った」
さらに被害を広げた決定的な原因となったのが…
「なんで警報ベルが鳴らないんだ」
住⺠の避難の遅れが多くの犠牲につながったという見方が出ています。
自らは難を逃れたものの、妻と連絡が取れなくなったというこの男性は...
妻と連絡がとれない男性
「火災発生時、妻に『逃げろ』と電話した。でも妻が部屋を出た時には、廊下も階段も煙で真っ暗で、(妻は)部屋に戻るしかなかったようだ」
逃げようとした時にはすでに部屋まで迫っていた煙。
住⺠が火災に気付くのが遅れたワケは...
香港消防局長(28日)
「消防署の専門チームを派遣し、火災報知器を緊急点検した結果、作動しなかったことがわかりました」
香港メディアによると、作業員が避難階段を通って出入りするため、警報が作動しないよう意図的に停止させていた可能性があるといいます。
なぜ火が急速に広がり被害が拡大したのか、原因究明は始まったばかりです。
